「会計力」こそ会社人生に必要不可欠な能力だ 冨山和彦氏から学生・社会人への大胆直言

バイトや模擬店で儲けを経験してみる

11月10日(金)発売の『会社四季報から始める企業分析 最強の会計力』では、冨山和彦CEOが具体的な経営指標の活用方法なども解説している。会計的リテラシーを身に付けて、会計に対する苦手意識を払拭していただきたい(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)
――決算書には企業小説を書けるくらいの内容が書かれているといわれます。たとえば、私が学生だとして、簿記の資格を得ました。さあ、就職活動を始めようと思いますが、決算書からストーリーを考えるきっかけにすべきことを教えてください。
1つはバイトがいい。アルバイト。外食企業でアルバイトして、ちゃんと観察すると、いろいろなことが見えてくる。材料原価に経費や付加価値を積み上げたものが、たとえば、すかいらーくの損益計算書になる。そこで「この店舗の売上高はこれだけ。テーブルサービスをするために、これだけ人間がいる。実はレストランは不動産の値段が高いので、確かに食材原価を30%くらいに抑えないと利益は出ないな」とわかる。
文化祭の模擬店も悪くない。すごく売れても、値付けを間違えると、意外と儲からなかったりする。繁盛したけど、結局、おカネが残らないことがあるでしょ。その瞬間ごとに損益計算書と貸借対照表が存在している。そこで経理担当をやっていると、「ああ、商売って、こういうふうになっているんだな」とわかる。ほかにも、売れて材料が足りなくなったので、あわてて無理して仕入れたら、そこから後は全然儲からなかったりする。限界費用が上がっちゃうから。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら