iPhoneX最速レビュー、使って分かった超進化 「全面ディスプレー」がすべての始まりだった
iPhoneには10年間、ホームボタンが搭載されてきた。アップルはホームボタンについて、世界で最も押され、多機能になったボタン、と振り返る。筆者も、iPhone 3G以来の9年間、毎日何十回も押し込んできたボタンだ。
iPhone Xを使い始めた初日、無意識にiPhone Xの何もないガラス部分を押し込んでしまったことが多々あった。それだけ、ホームボタンを押すことが、あまりに日常になりすぎていた、ということだ。
「ジェスチャー」は、iPhone Xのもう1つの魔法
元々の役割はホーム画面を表示させること。ロック画面や開いているアプリからホーム画面に戻ることができ、何か困ったら一旦このボタンを押せばはじめに戻れる、という基本を提供してくれた。またロック中、iPhoneの画面を点灯させる役割もあった。
iOSがマルチタスクに対応すると、ホームボタンの2度押しによるアプリ切り替え画面の表示、という新しい役割が備わった。3度押しではアクセシビリティを起動できる。Siriが採用されたiPhone 4S移行は、ホームボタンの長押しで音声アシスタントを呼び出すようになった。
加えて、Touch IDの搭載だ。画面が大型化したら、画面上部の表示に届くようにするため、Touch IDセンサーを押し込まずに2度タップする「簡易アクセス」という機能が追加された。そしてApple Payの起動と認証にも、ホームボタンが利用されている。
アップルは、有機ELディスプレーで全面を覆うiPhone Xを実現するにあたり、ホームボタンに与えてきたこれらの役割をすべて、ほかの方法に置き換えなければならなくなった。世界でもっとも働き者のボタンを、自然な形で退役させるチャレンジが、そこにあったのだ。
同時に、ユーザーにとっても、この移行はチャレンジになる。10年間ユーザーがホームボタンを押すことを奨励してきたアップルが、「もうホームボタンはない、押すな」と言うからだ。結論から言えば、アップルのチャレンジは非常にシンプルな形で成功した、と評価できる。
iPhone Xはホームボタンの代わりに、画面の下縁付近のフリック操作を採用した。ホームボタンを押し込む動作は、縁から上にフリックするだけ。アプリ切り替え画面は、下から上へのフリックを画面上で一度止めればよい。あるいは、画面下縁を左にフリックすれば、隣のアプリに切り替えることができる。簡易アクセスは、画面下縁を上から下にフリック、だ。
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