国際社会と協調して核合意をまとめ上げたイランの穏健派、ロウハニ大統領が国内政治の求心力を高め、経済問題への取り組みを強化すると公約したのは有名だ。
ロウハニ師の政治目標は崩壊の危機に
背景には、ロウハニ師が「イスラム革命防衛隊」(最高指導者・ハメネイ師直轄の軍事組織)の勢力を押さえ込もうとしていることがある。革命防衛隊はイラン経済の相当部分を支配し、力をつけている。だが、トランプ氏が核合意を批判したことで、ロウハニ師や穏健派の政治目標は崩壊の危機にある。
確かに、核合意締結後もイランのミサイル開発は続いているとの批判はあるだろう。しかし、米国が一方的に核合意を破棄したからといって、イランの核開発や地域不安定化の動きを食い止められるわけではない。むしろ、合意によって封じ込めを狙っていた、まさにその動きを、イラン政府が再開するのを助長するだけだ。
トランプ氏のUターンによって、イランと米国の軍事対立の可能性がよみがえったのである。
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