パワハラ告発者が対策委からパワハラの惨状 上層部からの被害を相談したら事態が深刻化
聴き取りを行うために、基本的に被害者が誰であるのかを明らかにする必要があるので、匿名での通報で委員会が動く可能性は低いと思われます。ただ、職場内の不特定多数への環境型セクハラ(事務所内にヌードポスターを掲示する等)では、写真だけで態様は明らかなので、匿名でも委員会が動くのではないかとは思います」
もし対策委員会に頼れない状況では、どのような手段が取れるのか。
「違法なハラスメント行為によって、精神的な苦痛をこうむった場合には、加害者に対して損害賠償を請求することも可能です。この場合、被害者がハラスメント行為を立証する必要があるので、委員会の調査に提出するのと同じように証拠を取っておくのが大事だと思います。また、時効の関係で、ハラスメントを受けてから3年以内に行動を起こす必要があります」
利害関係のある人は、委員会から排除してもらう
もし対策委員会に加害者やその親しい人が含まれていた場合、どうしたらいいのか。
「委員会に利害関係がある人がいる場合には、そのような人物を調査、審理から排除するべきだと申告をすべきです。委員会の規程には利害関係のある人を排除する規定を置いているところもあります」
申告する際には、どのようなことに注意したらいいのか。
「会社に対して申入れをする際には書面で行う等、記録を残しておくことが必要です。そうしないと、不公平な調査結果を残す可能性がありますし、調査過程で二次被害を受ける危険があります。記録に残しておくことで、後々裁判で調査結果が証拠として出てきてもその信用性を争うことが出来ます。
労基署、労働組合へ申告をしても、委員構成について意見を言う可能性は低いと思います。ただ、労働組合でハラスメントの団体交渉をしている場合は別です」
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