与党なのに…公明党が大苦戦している事情 「希望の乱」の中ですっかり埋もれてしまった
10月14日午後、新宿駅東口で開かれた「HOLD YOUR HAND」。日本共産党の志位和夫委員長と吉良佳子参議院議員が参加した。
「あまりに安倍政権は市民の声を無視しているのではありませんか」。国会前で行われている“金曜デモ”などを例に挙げて、吉良氏が右手を大きく広げて訴える。しかしながら集まっているのは100人程度で、その顔を見れば明らかに組織による動員だ。一般通行人で足を止める人はほぼ皆無で、吉良氏が東京選挙区で当選した2013年の参院選のような熱気はない。
立憲民主党の演説とは対照的
マイクが志位氏に渡されても、同じ状況だった。「今日はこういう機会ですので、2つ話をさせていただきたい。ひとつは世界のこと。今度の選挙が始まる前に素晴らしいことがあった。核兵器廃絶国際キャンペーンICANの皆さんにノーベル平和賞が贈られた。心から祝福と歓迎を言いたいと思う」。北朝鮮で9月3日に行われた核実験は、広島の10倍の威力を持つ。その危機を訴えようとするが、問題が重大であるにもかかわらず、どうも人の集まりがよくない。
同じ頃、東南口では立憲民主党の枝野幸男代表らが演説し、3000人もの人を集めていた。翌15日には希望の党の小池百合子代表が演説したが、聴衆はその6割程度だった。もはや“緑の革命”は起こらないだろう。流れはほぼ決まったといえる。
共産党は2012年の衆院選では8議席にとどまったが、2014年には21議席まで躍進した。風があれば伸びるのが共産党だが、その反面、風が吹かない時は大きく減少する。今回は大きく議席を落とす可能性が高そうだ。
その一方で、なにがなんでも目標議席数を獲ろうというのが公明党。比例区ではなんとか目標議席を達成しそうだが、小選挙区ではどうか。
「苦戦と見極めれば、比例に重点を置くことはありうる。2009年の衆院選はそうだった」(公明党関係者)。この時の公明党は小選挙区では全員が落選し、議席数は31議席から21議席と10議席も減らしている。はたして今回の衆院選はどうなるか。希望の党の興亡と立憲民主党の躍進ぶりにややもすれば隠れがちだが、組織政党の動向は日本の政治を見る上で極めて重要なファクターだ。
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