ドコモ、ついにiPhone参入へ踏み切る KDDI、ソフトバンクは迎撃態勢
今年5月には韓国サムスン電子の「ギャラクシー」とソニー「エクスペリア」の2端末の価格を優遇し、集中して売り込む「ツートップ戦略」で勝負に出たが、目立った成果は得られなかった。もはや、iPhoneなしで戦うのは困難な状況に追い込まれていたと言える。
iPhoneの導入によって、ドコモから他社へのユーザー流出は大幅に減少するだろう。ただし、ライバル2社もドコモ襲来を想定し、対策を練っている。
ソフトバンクは、年初から得意のテレビCMなどで「つながりやすさナンバーワン」を強力にアピール。ユーザーにソフトバンクショップへ来店を促すキャンペーンも精力的に展開している。今後発表されるとみられる新型アイパッド(iPad)とのセット販売や下取りプログラムの強化など、既存ユーザーの防衛に全力を尽くすだろう。
KDDIも4~6月にドコモがiPhone5を扱うと想定し、迎撃の準備を進めてきた。固定回線とスマホのセット割引「スマートバリュー」を軸に、ユーザー獲得・流出防止対策を推進。6月には下取りプログラムを開始し、7月にはスマホ初心者向けのキャンペーンを始めている。
また、今回のiPhone5S、iPhone5CはLTE(次世代高速通信規格)においてプラチナバンドである800メガヘルツの周波数帯に対応した。同帯域ではKDDIとドコモがLTEサービスを展開するが、メインの帯域として設備投資を展開するKDDIが、エリアカバーなどで優位性があると言えそうだ。
国内メーカー端末とのバランスをどう取るか
ドコモは今秋、ツートップ戦略に続き、2~3端末に絞り込んで集中販促を展開する予定だったが、爆発的に売れるであろうiPhoneと国内メーカー端末との販売バランスをどう取るのか。販売戦略の見直しが必要になる。iPhoneを導入したからといって、顧客獲得競争で優位に立てるとは限らない。
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