小池・前原「とらぬ狸の皮算用」に強まる逆風

希望の党の公認候補選びは、しがらみだらけ

ただ、希望の党の公認候補選びの経過や選考結果を分析すると、政治理念や政策を脇に置いて「小池氏の好き嫌い」や「選挙後の合従連衡への布石」を優先したともとれる候補者配置が浮き彫りとなる。前原氏と同様に民進党に籍を残したまま無所属で出馬する野田佳彦元首相や岡田克也元代表の選挙区には対立候補を立てないのに、立憲民主党から出馬する枝野幸男元官房長官ら民進リベラルグループには「刺客」を送り込むという手法も「与野党1対1の構図にして政権交代を狙う」という当初の方針とは矛盾する。公認選びで「憲法改正」や「安保法賛成」などの踏み絵を踏ませたことも考え合わせると、「真の狙いはリベラル勢力つぶし」(共産党幹部)とみられても仕方がない。

とくに希望の党公認候補の主力部隊ともなる民進系前議員達の多くは2年前の「安保国会」で国会を取り巻くデモ隊とともに「安保法制絶対反対」を叫んでいた政治家だ。まさに「議席目当ての豹変で、政治家としての資質も問われる」(自民幹部)ような顔ぶれでもある。直近の各世論調査で希望の支持が大きく伸びず、立憲民主党の支持が急騰しているのも、「議席欲しさで節操がない民進系候補」(同)への批判が背景にあるとみられている。

記者クラブ党首討論会で「安倍vs.小池」初舞台

公示に先立ち、8日の日曜日午後には恒例の日本記者クラブ主催の党首討論会が予定されている。所属する前議員の数から党首が横一列で並ぶ討論会の中央で隣り合うのが首相と小池氏だ。全国で生中継されるこの討論会が「安倍vs小池」の最初の表舞台となるが、理詰めで攻めるとみられる首相に対し、いつもの当意即妙な「小池節」でどこまで対抗できるのか。その虚々実々のやり取りが有権者の心をどうとらえるかなどは「やってみなければ分からない」(自民選対)というぶっつけ本番の論争だ。

日本を取り巻く内外の情勢の厳しさを考えれば今回の衆院選はまさに「国の未来を決める」という重大な意義があるはずだ。にもかかわらず政治理念や政策そっちのけの「劇場型選挙戦」ともなれば、「おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな」(芭蕉)という結末になりかねない。政界良識派の間では「鵜匠の小池氏に手繰られる希望の党公認の200人を超える鵜たちの運命やいかに…、というだけではあまりに救いがない」(自民長老)との声が広がる。

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