立憲民主党は、孤児たちの新「駆け込み寺」に 「希望の党」の排除宣言に「絶望からの反撃」

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枝野氏は記者会見で、希望の党に対し「方向が違うと判断せざるをえない」と強調する一方、安全保障法制の容認などで「踏み絵」を迫る小池氏の政治手法への不快感もあらわにした。そのうえで憲法9条での自衛隊明文化を目指す「安倍改憲」については「安保法の違憲部分の追認になる」と批判する一方、2019年10月の消費税10%の増税は「現下の経済情勢では国民の理解を得られない」と反対を明言した。

民進党を離党した枝野氏ら立憲民主党参加者は3日、新党結成を総務省に届け出た。菅氏ら有力議員に追従する形で、民進党が公認を内定していたのに希望の党から「排除」された議員や立候補予定者も次々参加表明している。このため公示前には「全国で比例当選も狙える50人規模の公認候補」(枝野氏周辺)に膨らむ可能性も出てきた。

民進党3分裂という異常事態に、同党最大の支持団体だった連合は対応に苦慮している。小池氏ら希望の党幹部の「候補者選別」に怒りを隠さない神津里季生連合会長は、2日の役員会で希望の党とも立憲民主党とも政策協定などは結ばず、両党が公認した立候補者を個別に支援する方針を決めた。連合内には「原発ゼロ」に反発する組織団体もあり、選挙区事情も考慮した選挙戦略だ。

小池氏、「民進貯金」と「連合組織」はとらぬ狸に 

一連の動きについて小池氏は「わかりやすくなった」と歓迎する素振りを見せた。だが、同氏が狙ったとされる、民進党の政党助成金を貯めた約140億円の「資金」や選挙の手足ともなる連合という「組織」の全面活用は難しくなった。希望の党は立候補のための供託金や選挙活動資金については「自前」で賄うよう公認候補らに通告し、2日の小池氏とのツーショット写真撮影でも候補者に3万円の支払いを求めた。

各マスコミが連日実施している世論調査結果を分析すると、希望の党をめぐる混乱の影響からか「小池旋風」も失速の兆しを見せている。これに対し小池氏は2日、中央マスコミの連続インタビューに応じ、「今回の選挙で政権を狙いたい。まずは単独政権だ」と衆院過半数の233人以上の公認候補擁立を目指す考えを強調、その一方で都知事を辞職しての衆院選出馬については「100%出ません」と明言した。

単独政権が実現した場合にも党首が首相指名の対象にならないという事態は「自己矛盾」(自民幹部)との批判も呼ぶが、小池氏は「ふさわしい方はたくさんいる」ととぼけている。

枝野氏の新党結成は、同氏の「排除」を決める際に「小池氏も織り込み済みだった」(希望の党幹部)とされる。しかし、それによって「小池代表の思いとは違う(悪い)イメージが広がった」(同)ことが誤算となったことは間違いない。

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