ステップワゴンがHVをスパーダに限ったワケ ホンダのかつての「ドル箱」は苦戦を脱せるか
ステップワゴンが当初から積んでいた1.5Lターボエンジンは、同じく3列シートを持ちつつ低く幅広いボディを持つミニバン「ジェイド」にも積まれている。このため、ジェイドが採用する1.5Lエンジン+1モーターのハイブリッドシステムを採用する可能性もあったかもしれないが、ステップワゴンの車両重量はジェイドより100kg以上重く、動力性能に不安が残る。
2Lエンジン+2モーターは性能面では問題がない。ただ、これを積むアコードとオデッセイは、ともに全長4800mm以上、全幅1800mm以上という大柄なボディを持つ。標準車で全長4690mm、スパーダで4760mm、全幅1695mmのステップワゴンに同じパワーユニットが収まるかが気になった。
どうやら、ここが大きなポイントになったとみられる。2L+2モーターのハイブリッドユニットはやはり大きく、フロントノーズを伸ばし、ボンネットを高くする必要があった。全幅だけでなく全長も5ナンバー枠内に収まっていた標準型にこの改良を行うと3ナンバーになってしまう。なのでマイナーチェンジ前から3ナンバーだったスパーダに限定したようだ。
目つきを鋭くした演出
既成のパワーユニットの搭載に2年半も要したのは、そのままでは搭載できないので改造が必要だったことが大きいだろう。たしかに2015年の発売から約1カ月後の受注台数は約7割がスパーダで、近年、スパーダの比率は急速に高まっていたため合理的な判断ではある。
標準型のボンネットがフロントウインドーと同じような角度でストンと落ちているのに対し、スパーダは水平に近い。当然ながら顔は厚みを増した。クロムメッキのバーをヘッドランプの中に伸ばして目つきを鋭くした演出は、8月に発売された新型「N-BOX」のカスタムに似ており、その下に2本のバーを並べた造形は上級ミニバンのオデッセイを連想させる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら