リニア新幹線に乗ってみた JR東海が試験走行再開、時速500kmを体験

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リニア中央新幹線の実験車両(2013年6月、撮影:尾形 文繁)

従来のリニア新幹線実験車両の車体断面は円形だったが、L0系では車内の居住性を上げるため、N700系新幹線のような角型に変えた。「浮上して走る」というリニアモーターカーの性質上、車体の軽量化は不可欠。軽量化と居住性を両立させるため、車内のいたるところに工夫の跡が見える。たとえば座席は新幹線というよりもむしろ飛行機のシートのような薄型となっている。これも軽量化を追及した結果。それでいて座り心地は新幹線と大差ないレベルに達している。

今回の試験走行は、もともと9月からの予定だったが、6月から始まった低速走行での試験が順調だったため、スケジュールを若干早めて実施された。従来の実験線は総延長18.4キロメートルだったが、3190億円を投じ42.8キロメートルへの延伸工事に着手。今回はそこをL0系が走行した格好だ。

三菱重工と日本車両が製造

今回試験走行したL0系は5両編成だが、今後は営業上の編成と同じ12両編成まで増えていく計画だ。車両の製造を担うのは三菱重工業と日本車両。合計で14両製造される。車両に搭載される電磁石等の製造費は360億円が見込まれている。

今後、L0系は500km/hでの試験運行を繰り返し、車両や施設の耐久性能を確認。有料での試乗会も随時開催する計画であり、一般の人でも時速500km/hを体感できる機会が増えそうだ。9月中には品川―名古屋間のルートや各県に作る中間駅の場所が決まり、2014年度には工事着工となる。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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