FPが金融商品を熱心に勧めてきた時の対処法 本当に顧客の側に立っているか疑ってみよう

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金融商品等の販売にかかわるFPの言い分のひとつに、情報提供やライフプラン設計など、FP本来の仕事である個別相談ビジネスだけでは食べていけないので、金融商品を売ってコミッションを得ることは「仕方がない」というものがあります。

私もFPになってから、何度もこのようなビジネスの誘いを受けました。誘う人一人ひとりに悪意は感じませんでしたが、彼らは、同様のビジネスにかかわるFP同士で連帯を深めて「結束」し、その「後ろめたさ」を払拭しようとしているかのように見えました。

「無料金融セミナー」の「落とし穴」

確かに、「FPでは食えない」ということは、業界でもよく言われています。その原因のひとつに、金融を中心とする個人相談が、日本ではまだ十分に浸透していないということがあるのでしょう。

加えて、多くの金融機関では「無料のセミナーやその後の個別相談」が行われていることもあり、おカネに関する相談に料金を支払うという発想を持たない人が多いという現実もあります。しかしながら、こうしたセミナーや相談の後には、主催者が売りたい商品があるのが常であり、これらのイベントは顧客本位のサービスというよりも、金融機関の形を変えたセールス行為と呼ぶべきものです。

しかし、最近では、そのからくりに気がつき、金融機関の「ひも付き」ではない中立的なFPにおカネを支払って相談する人が、少しずつ増えています。また、FPの中にも少数派ですが、金融商品などを紹介したり販売に何らかの関係をしてもコミッションをいっさい受け取らず、お客様の最善の利益のために、適切な相談業務(コンサルティング)を続けようとしている人がいます。

こうした誠実なFPがもっと増えるとよいのですが、そのためには、FP自身が正しい金融・投資などの教育を受け、実務を習い、訓練する場所が必要だと思いますし、その仕組みを整えるべきしょう。

英国では、政府主導で中立的なFPを養成しようとする試みがあり、公的サイトでのシミュレーションによる回答と実際の面談と合わせると、トータルでは2000万回もの相談が行われたという調査もあります。

日本でも、「自分年金」を作る受け皿である確定拠出年金制度が整いました。また、NISA(少額投資非課税制度)という有利なおカネの置き場所もできました。これらの制度を十分に活用し、おカネを適切に増やしていくためのアドバイスを受けたいという需要は、今後ますます増えていくでしょう。そのニーズに応える使命が、私たちFPにはあると思います。こうした機会を生かして多くのFPが活躍し、合理的な報酬を受けられるようにしたいものです。

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