テレビの「苦肉の策」にガッカリ感が募る理由 「チャンネルを変えさせまい」はバレている

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この策は数年前にテレビ業界全体で流行しましたが、視聴者に飽きられたため激減。しかし、いまだ消滅せずに繰り返されているところに、「やるべきはそこじゃないでしょ」と言いたくなるのです。

ネットサーフィン風の番組が急増

次に、各番組の構成に目を向けると、小刻みなコーナーを続けるものが増えました。たとえば、「痛快TVスカッとジャパン」(フジテレビ系)、「この差って何ですか?」(TBS系)、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)、「ニンゲン観察バラエティ・モニタリング」(TBS系)、「沸騰ワード10」(日本テレビ系)、「超かわいい映像連発!どうぶつピース!!」(テレビ東京系)、「ジョブチューン」(TBS系)などの番組は、いずれも数分間のコーナーを連続させる構成です。

もっとわかりやすいのは、朝の「ZIP!」(日本テレビ系)。ニュース、天気、エンタメ、アニメ、トレンド、クイズ、旅、料理など、わずか数分のコーナーが、まるでネットサーフィンのように続いていきます。

このような傾向が生まれたのは、「ながら見の人が増えるなど、テレビ番組への集中力が落ちている」「ネット動画の影響で短尺コンテンツが好まれている」から。面白ければ当然連続して見てもらえますが、「つまらない」と思われてもすぐにコーナーが終わるため、チャンネルを変えられるリスクは少なくなります。

しかし、「テレビ番組らしい見応えのある長尺コンテンツを放棄してしまう」「毎週レギュラー放送する意味合いが薄くなる」などの問題点もあり、今後は長尺と短尺、それぞれのコーナーをどう組み合わせて番組を構成していくのか。スタッフのバランス感覚が問われるでしょう。

その他の策としては、1990年代以降に定着し、減りそうで減らないのが、「じらし」の演出。番組のオープニングに、ハプニング、バトル、セクシーなどのインパクトの大きい映像を見せつつすぐに放送せず、いくつかの別コーナーを経由して、番組終盤で見せるというものです。

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