それとは反対に、冷遇されていることに気付く学生もいる。「マイページから説明会の予約が全く取れないが、他の大学の子は取れると言っていたとき」(同志社大学、文系)、「説明会への予約が常に満席の状態で表示されている」(九州工業大学、理系)など、自分だけなぜ満席? という疑問から、「学歴フィルターなのでは」と気付いたケースである。
「メールが届いてすぐに採用ページにログインしたのにセミナーが満席だったこと」(東京女子大学、文系)、「友人と同時刻に説明会予約をしようとしたが、わたしの画面ではすでに満席になっていた」(聖心女子大学、文系)といった女子大生からの声もあった。
優遇されている学生、冷遇されている学生のいずれを見ても、応募者が殺到している人気企業での出来事のようだ。学生が一部の企業に集中するからこそ、学歴フィルターが生まれるとも言える。
企業側のデータも紹介しておこう。HR総研では2017年3月に企業向けの調査を行った。学生向け調査には学歴フィルターという言葉を使うが、企業向けでは「ターゲット大学」という言葉で質問している。ターゲット大学を設定しているのは全体の39%の企業だ。
「学歴フィルター」の学生調査では、旧帝大・早慶クラスで「ある」という回答が多かったが、企業調査の「ターゲットとする大学グループ」では旧帝大・早慶クラスは2割台と少なく、もっとも多いのはGMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)・関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)クラス。学生のレベルが安定しているので、評価されているようだ。
キャリアセンターや「就職四季報」で調べる
ターゲット大学を設定している企業の採用施策だが、ターゲット大学に採用を限定している企業は実際には少なく、約2割。企業規模で「1001人以上」に限れば約3割である。
ターゲット大学を設定していても、「すべての学生を通常の選考ルートに上げている」という企業が多く、全体の7割強に達している。平たく言えば、ターゲット大学を設定していても、「その大学以外はダメ」という企業は約2割、「その大学がほしいけれど、それ以外の大学でも公平に扱っている」という企業が7割強、ということになる。
裏返せば、この約2割の企業を志望から外せば、就活でいやな思いをすることは少なくなるはずだ。では、その約2割の企業を、どうやって調べられるのか?
調べる方法はある。大学のキャリアセンターに行けば、就職実績企業リストがあるはずだし、『就職四季報』(東洋経済新報社刊)でも大学の先輩が入社しているかを調べられる。採用実績校の欄には、採用校(大学院を含む)とその人数が掲載。また、自分の大学からの採用実績があれば、大学のOB・OGがいるはずだから、コンタクトを取って、くわしい話を聞くことも可能だろう。
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