東京メトロ社長「私も地下通路で道に迷う」 巨大私鉄は上場や都営との統合にどう臨む

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──大手町のような大きな駅は、使い慣れている人でも迷う。

確かに、4〜5路線が乗り入れている駅では、案内がわかりにくかったり、案内が途切れて立ち往生したりすることがある。私自身も、行き慣れない駅では迷って引き返したりすることがある(笑)。自分で気づいたことを担当部署に「こうしたほうがいいのでは?」と話をすることもよくある。

都営とのサービス一体化をまず進める

山村明義(やまむら あきよし)/1958年生まれ。1980年東北大学工学部卒業後、帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)入団。専務取締役鉄道本部長などを経て、2017年に社長就任。 (撮影:梅谷秀司)

──都営地下鉄との経営統合は進めていくのか。

経営課題であると認識しているが、相手があること。まずは両社の間でサービスを一体化する取り組みを進めていく。

たとえば、「のりかえ専用改札口」を設置することで、都営の列車を降りてメトロの改札から出るといったことが可能になる「改札通過サービス」を進めている。また、九段下駅のように都営と改札を共用している駅もある。

運賃については都営とは70円の乗り継ぎ割引を従来から行っているが、この拡大も含めて、どのようにすれば利用者の負担を減らせるか、両地下鉄の経営にどう影響を与えるかといったことを、都や国と勉強している。ただ、まだ方向性を出せる段階ではない。

──株式上場の計画は?

それも重要な課題だが、上場は株主(保有比率:国53.4%、都46.6%)が考える話だ。当社は企業価値を向上させ、いつでも上場できるよう準備をしておきたい。

──新線建設の計画はあるか?

2008年に開業した副都心線を最後に新線建設は行わない方針だ。(国や都から)もし協力を求められたら、経営に悪影響を及ぼさない範囲で行うという方針で対応する。その線引きはしっかりやる。

──海外展開にも乗り出している。

ベトナムのハノイやホーチミン、フィリピンのマニラなどで、鉄道の運行や維持管理に関する人材育成を中心に協力している。最近は採用活動において海外展開に関心を持つ学生も増えてきた。ただ、これが今後のビジネスになるかは見極める必要がある。

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