大起水産の回転寿司、「高くても行列」の裏側

「ちょっと高いけど美味しい」には魅力がある

「でも、そのちりめんじゃこでいろいろ勉強させてもらいました。乾き具合、塩加減、旨味。塩干でしたが、やはり大事なのは鮮度です。それに、値段も重要でした。値段の違うものを並べて、お客様に選んでもらいます。一番安いものは大衆的なお客様、中ほどはあまり安いのは心配というお客様、そして一番高いのを買うのは美味しければ高くてもいいという余裕(とプライド)のあるお客様です」

大起水産の佐伯保信会長(筆者撮影)

こうした経験を積んで1975年、30歳の時に大起水産を立ち上げました。今年で創業42年になります。当初は塩干物の卸販売会社としてスタートしましたが、1978年にまぐろ問屋へと拡大。鮭やカニ、エビも扱いましたが、やはり魚と言えばまぐろだ、と佐伯会長は言います。大手百貨店との直接取引に成功したことで、会社も成長しました。1988年には、堺市の中央環状線沿いに「堺活魚流通センター」を開業。当時、魚屋のほとんどは市場や商店街の中に店舗がありましたが、佐伯会長は車社会の到来を見越し、郊外に路面店の魚屋をオープンしたのです。

鳥取県境港からトラックで産地直送し、鮮度の高さをアピールしました。同時に、業界では初めて消費者向けに産地市況の放送を開始。時流に乗って評判を呼び、売り上げを伸ばします。

魚屋さんと寿司屋さんが合体した回転寿司の強み

そして2000年、念願の回転寿司チェーンに本格的に参入しました。魚屋と寿司屋を併設して、新鮮なお魚を食べてもらおう、というのが狙いでした。

「魚をさばいてすぐ食べてもらう。さばきたてだから、みずみずしくて美味しい。お客様に本当に美味しい魚を食べてもらいたい、その一心で魚屋と寿司屋を一緒に運営できないか、と考えたのです」と佐伯会長。

現在、回転寿司31店、水産物小売店13店、その他飲食店を含め50店舗を展開。全国有名漁港から取れたての海の幸を、新鮮なままその日のうちに届ける流通システムを構築しています。店舗は大阪府内が中心ですが、近隣の奈良、兵庫、京都、和歌山にも出店。関東圏では、相模原市古淵(こぶち)店、ららぽーと海老名店もオープンしました。その結果、直近では本体の大起水産で127億円(2017/8期予想)、仕入れの会社大起産業で93億円(2017/3期)、併せて220億円超を売り上げ、従業員も(パートを含め)2000人の企業グループに成長しました。

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