「言葉は重要だ。核兵器使用が危ぶまれているときには特に」と、両者は最近『ディプロマット』誌に書いている。「わずか30秒間で、トランプ大統領は自身を破滅的な戦略的窮地に追い込んでしまった」。
具体的に言うと、両者は核専門家にしか理解できないような語彙を使って、トランプ大統領は(それが不注意によるものであったとしても)自身の「先制攻撃心配性」のせいで誤算が起きる可能性を格段に上昇させたと警告したのである。
米国の対北朝鮮の長期的戦略は
冷戦を通して、米国、旧ソ連、そして中国は「核安定性」の概念を受け入れてきた。これは、いかなる国も他国に対する先制攻撃は自殺行為だと認識していたという意味だ。攻撃の的にされた国は、侵略者の腹を切り裂くのに十分な報復攻撃能力を保持していることだろう。
米国のミサイル視準の正確さを考慮すれば、北朝鮮は米国の先制攻撃に報復するための兵器をほとんど持ち合わせていない可能性が高い。そのため、北朝鮮は保有する核兵器を紛争の初期段階で使用する可能性が考えられる。
こうした中、気になるのは、米国の北朝鮮に対する長期的な戦略である。今後の政策のカギとなる要素はすでに決まっているようだが、その詳細はまだ詰まっていない。
が、この出発点は、北朝鮮による挑発あるいは脅迫を、米国側が誇張するのをやめるところにあるのかもしれない。ロスアラモス国立研究所の名誉所長であり、核兵器専門家であるジークフリード・ヘッカー氏は、金正恩は気が狂っているわけではないと話す。
「金正恩は狂人ではないし、自滅的でもない。それに金正恩は予測不可能だということもない」。ヘッカー氏は最近、ワシントンポスト紙にこう話し、「実際的な脅威とはわれわれが朝鮮半島での核戦争へと突入していくということだ」と付け加えた。
また、ミドルベリー国際大学院の東アジア核兵器拡散防止プログラム所長を務めるジェフリー・ルイス氏は、米国は現実的な方法で、たとえ公式でなくとも、北朝鮮が核軍事力であることを受け入れなければならないと主張する。「核武装した北朝鮮を武装解除しようと試みるのは狂気のさただ。たとえ何人かの政治家にとって、その事実を認めることが、あまりに彼らを無気力に感じさせるものであったとしても、だ」。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら