歴史が語る米国に残された「軍事オプション」

過去に北朝鮮と衝突したときはどうしたのか

しかし、これによって、戦争の脅威が完全になくなったわけではない。後で詳しく説明するが、トランプ政権が行ったような脅しは、過去にも例がある。たとえトランプ大統領が公の場で、これ見よがしの発言をしまくっているのが異例のことであるとしても、だ。

平和的解決の必要性を強調しているものの、トランプ政権の国家安全保障当局幹部は、北朝鮮の攻撃に対して、圧倒的な反撃をする余地ばかりか、先制攻撃ではないにしても、核弾頭を積載する可能性のある北朝鮮の弾道ミサイルが使用される脅威がある場合、一種の予防攻撃をする余地もあからさまに残している。

「私たちは予防戦争の計画を整えるでしょうね。つまり、北朝鮮が核兵器で米国に脅威を与える場合、これを妨げるような戦争のことです」と、ハーバート・マクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官は、8月5日にNBCニュースのキャスター、 ヒュー・ヒューイット氏に語っている。「大統領はこれに関して、とても明確な立場を取っています。『米国を脅かせるとする北朝鮮の姿勢を容認するつもりはない』と言っているのです」。

韓国にとっては「犠牲の大きい戦争になる」

マクマスター補佐官もまた、「これを行うためのあらゆるオプションを、われわれはそろえる必要がある。そしてこれには、軍事オプションも含まれている」ことを明らかにしている。

米国はこれが、とりわけ北朝鮮の反撃の主な標的となると見られる韓国の人々にとって、「非常に犠牲の大きい戦争となるだろう」ことを理解している、とある陸軍将官は説明した。米政府関係者もまた、戦闘が拡大すれば、日本とその米軍基地が標的となる可能性が高いこともよく認識している。

トランプ政権による軍事オプションの検討は、少なくとも4カ月前の4月初旬にさかのぼる。このとき北朝鮮は、金日成主席の生誕祭に合わせて、弾道ミサイルテストを準備しており、トランプ大統領は利用可能な軍事オプションを見直すよう要請していた。

では、米政府は武力行使のために、どんなオプションを考えているのだろうか。もちろん、これは機密情報だが、最近公開された一連の歴史的公文書の中に書かれているものの中から、参考となるものがいくつかある。これらは、広範囲に及ぶ記録文書の調査と、秘密情報公開法の下での開示要求を行った結果として、米ジョージ・ワシントン大学構内にある米国家安全保障アーカイブが、2010年に発表したものだ。

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