「いい子」「悪い子」すべては"親の決めつけ"だ 「リフレーミング」で短所が長所に変わる

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これらは、筆者が長年多くの子どもを見てきたうえでの実感に基づいています。とにかく、「この子は○○だ」と決めつけないことが大切だと思います。

「うちの子は落ち着きがない」と思ったら、「でも、これはエネルギーにあふれていて活動的ということでもあるんだ。行動力があるんだ」と見直してみましょう。自分の特性を否定されずに育ったその子は、大人になってからも、仕事や遊びでアクティブかつエネルギッシュに活動していくことでしょう。

「飽きっぽいなあ。何でもすぐ飽きてしまう」と思ったら、「でも、これは好奇心が旺盛ということでもあるんだ。やる気でいっぱいなんだ」ととらえてみましょう。大人になってからも、いろいろなことに積極的にチャレンジしていくはずです。

授業参観のときに「発表もできないなんて、消極的で困る」と思ったら、「でも、これは慎重と言えるのかも」と見直してみましょう。つまり、軽々しくいい加減な発表などしないで、じっくり慎重に構えているのです。こういう子は、大人になってからも軽挙妄動に走らず、仕事でもプライベートでも慎重に事を運ぶことでしょう。

短所と長所はコインの裏表の関係にある

以上のように、常に短所と長所はコインの裏表の関係にあります。ですから、短所を長所に言い換えてみてください。今の時点で親にとって短所に見えることでも、その子が長い人生を生きていくうえで、本当にずっと短所であるかどうかはわからないのです。もしかしたら、その子の宝物と言ってもいいくらい大切な長所なのかもしれません。

そもそも、子どものある特質が、短所に見えるか長所に見えるかということは、親の都合によって決まってくることが多いのです。今の時点で長所に見えることは、すべてとは言いませんが、多くの場合、親にとって都合がよくて育てやすい、ということにすぎないのです。

ですから、私たち大人はもっと謙虚でなければならないと思います。自分の価値観やものの見方を疑うことなく、固定化されたフレームで見て、子どものことを決めつけてはいけないのです。つねに、別のフレームで別の見方ができないか考えることが大切です。とはいっても、ここが大事なのですが、子どもを見るときだけそうしようと思っても無理なので、生活の中で日頃から心がけて習慣化することが大切です。

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