小池都知事は「ウルトラ右翼の独裁者」なのか 「日本ファーストの会」に見えるその国家観
「日本ファーストの会」と小池都知事の関係はどうなっているのか。若狭氏は会見で「小池知事は関係ない」と述べながらも、立ち上げたばかりの政治塾(輝照塾)の第1回の講師として小池知事を招き、「ファースト」という名称使用の件についても、「当然、小池知事の許可というか、『結構ですよ』という話になっている」と“関与”をほのめかした。
小池知事も同日、「国政については若狭衆議院議員にお任せしている」と述べたが、「といいますか、改革の思いを、志を共有する」と言い直した。実質的支配権は小池知事にあるという意味だろう。
「(「日本ファーストの会」の)背後に小池知事がいることは間違いない」。都政を取材する大手メディアの記者もこう話す。「ただ都知事である小池氏が国政について直接動くのはまずい。表向きには若狭氏にやらせ、うまくいくようなら要所要所で小池知事が出てくるだろう」。
小池知事の憲法観は"ウルトラ右翼"
その小池知事は、その政治的キャリアをスタートさせたのは「日本新党」である。とはいえ、小池知事がリベラル政治家であるとは言いがたい。ずばり「保守党」にも在籍したことがある。さらに小池知事の右腕として「都民ファーストの会」の代表を務めているのが、都議時代の2012年に東京都議会に出された「日本国憲法の無効確認と大日本帝国憲法の復活を求める」請願の紹介者となった野田数氏だ。
この請願については同年9月18日の東京都総務委員会で、藤田裕司総務部長が中曽根康弘内閣時の1985年9月に大日本帝国憲法の改正手続きによって日本国憲法が成立し、法理的に問題ないとの答弁があったことを紹介。同請願は不採択になっている。
小池知事の憲法観もなかなかウルトラ右翼である。衆議院議員時代の2013年3月4日には、衆議院本会議でこのように述べている。「憲法の改正は国会にのみ認められた権限であります。その責任は、国会の構成員である国会議員が負うことになります」。
そして国権の最高機関である国会が憲法を議論することは「当然」としながら、まず改正に着手すべきところを「憲法改正条項である憲法96条」とした。そして全会に賛同を求めたのである。
憲法96条は、憲法改正発議には各議院の総議員の3分の2以上の賛成が必要とし、日本国憲法を硬性憲法たらしめるものだ。これを改正するということは発議を容易にすることで、小林節慶應大学名誉教授など学者から「憲法の破壊だ」と批判が強い。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら