ポスト安倍、「岸破聖太郎」の攻防が始まった 4年後なら小池と小泉が参戦し大乱戦になる

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ポスト安倍は誰なのか。左から岸田文雄氏、石破茂氏、野田聖子氏、河野太郎氏(写真:左端の岸田氏はAbaca/アフロ、ほかは撮影:梅谷秀司)

お盆休みに入った永田町で多くの政界関係者が口にするのが「ポスト安倍」絡みの話題だ。夏前までは既定路線化していた安倍晋三首相の自民党総裁3選への"一本道"が一転"迷路"と化し、1強政権の前に"音無し"だった自民党内にも来年9月に向けた「権力闘争」の蠢(うごめ)きが顕在化してきたからだ。

首相が断行した8月3日の内閣改造・自民党役員人事を境に、いわゆる総理・総裁候補の顔ぶれが多様化し、岸田文雄政調会長、石破茂元地方創生相の"2強"に加え、初の女性首相を目指す野田聖子総務相や「ポスト・ポスト安倍」を視野に入れる河野太郎外相が総裁選出馬への意欲を示した。

今回の安倍人事で一気に「本命」にのし上がったとされる岸田氏は来年9月の総裁選出馬について「1年後のことなど、誰にもわからない」と煙幕を張るが、孤立化がささやかれる石破氏の出馬への決意は固く、野田氏も「必ず出る」と明言しており、安倍政権の"寿命"も絡んでの神経戦が熱を帯びる。

「秘蔵っ子」稲田氏脱落、「異端児」河野氏浮上

1年前の第3次安倍再改造内閣発足後には、石破、岸田、野田3氏に次いで名前が挙がったのは稲田朋美元防衛相だった。首相自らが「将来の有力な女性首相候補」と肩入れする秘蔵っ子だったからだ。しかし、南スーダンPKO部隊の日報隠蔽問題などで「政治家としての資質に疑問符がつく言動」(自民幹部)を繰り返して防衛相辞任に追い込まれた時点で「ポスト安倍番付」から姿を消し、入れ替わるように自民党の異端児と呼ばれる河野氏が浮上した。

このため、「ポスト安倍」候補の永田町的呼び名は1年前の「石田聖美」から、実現可能性も加味しての「岸破聖太郎」に変わった。いうまでもなく岸田、石破両氏の姓と野田、河野両氏の名を組み合わせたもので、競馬予想になぞらえれば「本命・岸田、対抗・石破、穴・野田、大穴・河野」といった意味合いだ。

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