ジーンズメイト、RIZAP傘下で再生できるか 2人のユニクロ出身者によるジーンズが武器

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「ジーンズはファブリック(生地)とフィット(形やはき心地)、フィニッシュ(縫製や加工)の3つのFが重要。履いたときの絶妙な押し上げ感や味わいを実現した」(宇山氏)

ジーンズメイトは有名ブランドもPBも取り扱うことができるのが強みと宇山氏は話す。リベットが隠れており、刺しゅうはmateのMと富士山をイメージ(撮影:今井康一)

メイトジーンズは裏地のオレンジが映える、独特なデザインが印象的だ。おしりポケットのステッチはmateのMと富士山をイメージ。正面のポケット下には隠しリベットを仕込ませるなど、細部の作りにもこだわった。

今回、価格を抑えながらもこうしたこだわりを実現できたのは、宇山氏や高橋氏の経験によるところが大きい。

実は新PBの生産委託先は従来と変わっていない。発注ロットも格段に多くなったわけではないが、工場に宇山氏や高橋氏が実際に訪れ、商品のパターンをひき直したり、技術指導したりして商品の完成度を高めた。

大量生産するジーンズでは、ポケットの裏地やステッチの縫い方など細かい部分にこだわることができない。ベーシックなデザインから離れれば離れるほど、万人受けしなくなる。「ジーンズ離れと言われているが、ユニクロのジーンズなどが普及して裾野は広がっている。選択肢の1つとしてメイトのジーンズを選んでもらいたい」(宇山氏)。

ジーンズ主体のもの作りにこだわる

新PBはジーンズだけでなく、シャツやジャケットなども展開し、カジュアルからビジネスまで幅広い着用シーンを想定する。ただ、その尺度はあくまでジーンズに似合うかどうか。ジーンズ主体のもの作りにこだわる。

「ファッションに興味を持ち出した中高生が家の近所のジーンズメイトに来てくれても、20代以降になると離れてしまう。今後は本格的なファッションを求める顧客から支持されるブランドを作り、魅力ある品ぞろえを実現したい」と冨澤社長は語気を強める。

原点であるジーンズに回帰し、復活に懸けるジーンズメイト。新PBを通じてどこまで集客を高めることができるか。今期の黒字化という高いハードルを越えるためには、メイトのジーンズがカギになる。

菊地 悠人 東洋経済 記者

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きくち ゆうと / Yuto Kikuchi

早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者を経て2017年10月から東洋経済オンライン編集部。2020年7月よりIT・ゲーム業界の担当記者に。

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