家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ

藤井四段の集中力を、家庭で育む

小さい頃から自分で選択をしていると、自然と判断力がついてきます。自分で決められる大人というのは、子どもの頃、小さな選択を積み重ねてきた人なのです。

やる気と自信の芽を摘んでしまわないで

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②教えない

私たちモンテッソーリの教師に求められるのは、「教えない」ということです。子どもが間違っていても、正解を押しつけてはいけません。パズルをしているタダシ君。4個目のピースが間違っているため、最後の10個目がうまくはまりません。ここで「これが間違ってるよ」と教えてしまうと、子どもが試行錯誤する機会を奪うことになってしまいます。ですから、「教えて」のサインを子どもが出すまでは、大人はじっと待たなければなりません。

しかし、これが皆さんとても苦手です。でも、よく考えてみてください。一生懸命やっている横で「違うよ」「間違ってるよ」「こうするんだよ」と言われ続けたら……? せっかくのやる気もなくなってしまうはずです。

大人が先回りして教えることは、何もいいことはないのです。やる気と自信は、子どもの試行錯誤の経験の中から生まれてくるものです。

③方法を説明するときには、スローモーションで

子どもから見ると、大人の動きは「超高速」! たとえばファスナーの開閉の仕方を伝えるときに、ファスナーを上げる動作をしながら、「この細い溝に、こちらの先を入れてから、この先を持って上に上げるの」と言っても、子どもはまったくその説明についていくことができません。

まず、普通の大人の動作は子どもにとって早すぎて、目で追えないのです。また「目でデモンストレーションを見る」ことと、「耳で説明を聞く」ことを、同時にすることができません。ですから、子どもに何かを説明するときには、

スローモーションで行う
デモンストレーションをしているときには、話さない
説明しているときには、デモンストレーションはしない

ということを意識してください。

何度も説明しているのに、お子さんが全然覚えられないとしたら、それはお子さんが悪いのではなく、説明の仕方がお子さんに合っていないだけです。親御さんは説明の仕方を少し練習してみましょう。

敏感期を知って、お子さんを観察するようになると、どんなことにこだわっているのかが見えるようになってきます。そのこだわりを伸ばすことができるように、親は上手に選択肢を与え、試行錯誤させることで、お子さんは自らの力で成長することができるようになります。子どもは自分が伸ばしたい能力を知っているからです。

親ができることは、その能力を潰さないこと、そしてそれを伸ばすための環境を整えることなのです。

(構成:黒坂真由子)

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