家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ 藤井四段の集中力を、家庭で育む
前回記事(集中力を育む「モンテッソーリ教育」の本質)でも少しご紹介していますが、敏感期に現れる特徴としては、「所有へのこだわり」のほかにも、主に次のようなものがあります。
同じことを同じようにしたい「習慣へのこだわり」→ 集中力を育てる
同じ場所に同じ人がいないと気持ちがわるい「場所へのこだわり」→ 倫理観へ発展
高いところに乗って歩きたい「運動へのこだわり」→ バランス感覚をつける
3本指を使いたい「指先の運動へのこだわり」→ 器用な手先をつくる
などがあります。矢印のあとに示したのは、これらの子どもの中にある「こだわり」を満足させることで育つ能力です。
藤井四段の集中力のすごさが話題になっていますが、モンテッソーリ園で同じ工作をし続けた、という話を読んで、私は一人「なるほど」と納得しました。同じ作品を同じように作り続けた経験が、のちの集中力への素地へとつながったのです。好きなことをとことんできる環境が、家庭や園で用意されていたに違いありません。
敏感期自体は人間だけでなく動物や昆虫にも見られます。たとえばウグイスはある時期を逃すと「ホー、ホケキョ」とうまく鳴けなくなることが知られています。小さい頃に鳴き方を覚えなければ、大人になってからウグイスの最大の美点である鳴き方を身に付けることができないのです。
子どもの「こだわり」を見せる時期に、それを十分満足させることで、集中力や器用さといった、後からは教えたくても教えることができない長所を身に付けることができるようになるのです。そのためには、敏感期について知り、子どもをよく観察することが大切なのです。
家で今すぐできること
子どもの能力を伸ばすために、具体的にできることをお伝えしましょう。子どもの生きる力を育むための、親の接し方です。
①選択の機会を設ける
なんでも親が選ぶのではなく、子どもに選ぶチャンスを用意しましょう。
小さい頃は2択から、大きくなるにつれて、選択肢を増やします。これは「イヤイヤ」の時期にも効果があり、あれもイヤこれもイヤと泣いている子どもに「どっちがいい?」と選択肢を示すと、片方を選んでくれることがよくあります。子どもは「ひとに決められる」のがイヤなだけなのです。ゼロ歳の子も「ママの右のおっぱいがいい」などと「選択」をしています。子どもはとても早くから、自分で決めたいという思いを持っているのです。
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