「ジブリ」宮崎吾朗監督が語る父への思い 「作ることが生きること」

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『天空の城ラピュタ』に登場するパンの模型。ファンの間では「ラピュタパン」とも。 (C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli

なぜ、ベーコンエッグなのか。思ったのは、「洋風と和風の間」みたいなものじゃないかと。目玉焼きを知らない人は日本にはいないでしょう。白と黄色だけというシンプルな色だから、絵の中で際立ちます。オムレツは好き嫌いがでますから。ビジュアル的に見映えして、誰でも知っている。

目玉焼きの黄身は、黄身の明るい黄色、かげの黄色、ハイライトの3色で描く。白身も同じです。4色だと手間がかかる上、効果がうすい。2色ではつまらないので基本3色です。食べ物の描き方は、原則この方法でやっているとわかります。

父・宮﨑駿は「たぶん死ぬまで作る」

(C)Museo d'Arte Ghibli (C)Studio Ghibli

――宮崎駿監督が新作長編を作ると決意したそうですが、吾朗さんも参加するのでしょうか。

関わったら大変ですよ(笑)。そもそも決意してるんだか、わからないんですよね。ジブリってなし崩しに動いていくので。作品の方向性もまだ語ってないですね。試行錯誤しているんじゃないかな。本人も「これ、ほんとにやんのかな?」と言っていることもあれば、「やるぞ」と言っているときもあり…。いつも煙に巻かれてよくわからない。

多分、鈴木敏夫プロデューサーも「この先どうなるか分からない」と思いつつやっていると思います。年齢的なこともあるので「宮さん、作ってる間に死んじゃうかもしれないからさ」って。

でも僕は、そう簡単に死んでくれないんじゃないかなと思います(笑)。良く言えば「それしか生き方がない」ってことですよ。「作っていること」が「生きていること」っていう人だからだと思います。それ以外にやることがないし、たぶん死ぬまで作るんじゃないですかね。

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