JR東日本が英国で鉄道運行する「本当の狙い」 日本のトップ企業も海外の知名度は低かった
ウェストミッドランド路線は、ロンドンのユーストン駅を起点とする西海岸本線のルートを通り、バーミンガム、クルー、リバプールといった都市間を結ぶ近郊列車や、西ミッドランド地方のローカル線など、約900kmに及ぶ路線網で、年間延べ7400万人が利用する。今回、フランチャイズを獲得したウェストミッドランズ・トレインズ社は、2017年12月にすべての事業を引き継ぎ、正式に営業を開始する。
アベリオUK社のマネジングディレクターであるドミニク・ブース氏は、契約期間満了となる2026年までの間に、旅客サービス向上のために新型車両の導入や駅設備の改善など、約10億ポンド(約1430億円)の投資を行うと述べている。
その具体的な投資内容として、以下の点などが挙げられている。
なぜJR東日本が参入?
また、今回のフランチャイズ獲得に合わせ、インフラを管轄するネットワークレイル社とも連携、新型車両導入のために車庫の拡張、各駅に合計で1000台分の自動車駐車設備と2500台分の自転車駐輪設備を整備しパークアンドライドを推進、150駅に最新の情報案内装置を合計で800台設置するとしている。
なお、バーミンガム周辺を含むウェストミッドランド地域のローカル列車については、運輸省と同地域にある16の地方自治体によって構成される「ウェストミッドランド鉄道コンソーシアム」という組織によって共同運営され、車両についてはウェストミッドランズトレインズ社が提供するとしている。
しかしJR東日本はなぜ、英国の鉄道事業参入に名乗りを上げたのか、しかもその出資比率は、共に手を組むアベリオUK社に対して半分以下と、かなり低い点を疑問に思うだろう。日本最大、いや旅客輸送事業の売上高に関して言えば世界最大の企業であるJR東日本が、日本国外、それも英国の鉄道事業へ参入する意義、メリットとは何なのだろうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら