「戦犯」前原vs枝野では、民進党に明日はない

細野氏離党と「日本ファースト」で遠心力加速

「最初で最後の保守・リベラル対決」(党長老)の構図となるはずの代表選に靄(もや)がかかりはじめている背景には、党内有力議員の離党問題がある。前原、枝野両氏の出馬表明に冷水を浴びせたのが8日の細野豪志元環境相の離党届提出だった。同氏は提出後の記者会見で「基本政策が根本的に異なる共産党との共闘は私の信念に反する」と離党の理由を説明し、「新しい政権政党をつくるため、まずは裸一貫、一人で立ち上がる」と苦渋の表情で語った。

細野氏は前原、枝野両氏より約10歳若く「第3世代のエース」とみられていた。その細野氏が代表選の最中に離党したことについては「仲間を見捨てての敵前逃亡だ」(若手)との厳しい声が相次ぎ、細野氏をリーダ―とする党内グループ「自誓会」のメンバーもいまのところ追随の動きはみせていない。

ただ、同時進行となったのは、若狭勝衆院議員が7日に発表した「日本ファーストの会」の設立だ。若狭氏は誰もが知る小池都知事の側近。小池氏は7月2日投開票の都議選で、自ら率いる地域政党「都民ファーストの会」が圧勝して都議会制圧は果たした際、「国民ファースト」という言葉を使って国政進出への意欲もにじませていただけに、若狭氏の国政政党旗揚げ宣言の背後に小池氏の存在があることは否定しようがない。

もちろん小池氏は「国政のことは若狭氏に任せてある。私は都政に専念する」とかわすが、永田町では多くの政治関係者が「日本ファーストの会」を小池新党と呼ぶことは間違いない。若狭氏は自らが立ち上げる政治塾「輝照塾」を次期衆院選での候補者選びの場とする考えを示したが、9月16日の第1回会合には小池氏が講師で登壇することが決まっている。

「小池新党」旗揚げに細野氏ら参集か

若狭氏は新党立ち上げの理由を「東京都で示されたような声を、全国から広く集めたい」と語ったが、併せて細野氏の存在にも言及し「近く話し合いたい」とエールを送った。これに対し、細野氏も「(若狭氏の動きに)注目している。機会があれば話したい」と応じ、週内にも会談するとみられている。

「日本ファーストの会」を国政政党にするためには「議員5人以上」の参集が必要だが、細野氏に先行して民進党を離党した長島昭久元防衛副大臣、維新の会を離党した渡辺喜美元規制改革担当相、無所属の松沢成文参院議員(前神奈川県知事)に細野氏も加えた4氏が若狭氏の誘いに応じれば条件を満たすことになる。

長島氏は「急いで新党をつくれば失敗する」と否定的だが、若狭氏は「5人確保」に自信を示しており、その視線の先には民進党の離党予備軍があることは間違いない。民進党代表選で保守、リベラル両派が激突して党分裂含みとなれば、その時点で「日本ファーストの会」に救いを求める"離党ドミノ"が起きる可能性は少なくないからだ。

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