デジカメ時代に好調「チェキ」が挑む新機軸 カワイイだけじゃない、狙うは“大人の男"
カメラ機能が進化したスマートフォンの普及に押され、コンパクトデジカメが市場急減に直面している。カメラ映像機器工業会によれば、今年1~6月の販売数量は前年同期からおよそ半減した。
2013年度販売は200万台へ
一方、そんなデジカメの苦戦を横目に、一度はデジタル化の流れで廃れたフィルムカメラが、異例の販売増を記録している。撮ったその場で、カードサイズの写真が出来上がる、富士フイルムのインスタントカメラ「チェキ」シリーズである。韓国や中国など東アジア地域で、若い女性を中心に高まった人気が、北米や欧州、オセアニア、新興国などにも広がってきている。チェキの販売台数は2009年度の49万台から右肩上がり。2012年度は約160万台を売り上げ、今年度は200万台まで伸ばす計画だ。
そんなチェキが、“新機軸”に挑む。
富士フイルムは9月20日、チェキシリーズの新製品「Instax mini90ネオクラシック」を発売する。往年のフィルムカメラの雰囲気を感じさせる外観で、これまでのチェキに比べて高機能なのが特徴である。
本格的な撮影を可能にするため、シャッター開放時間を最大10秒に手動調整する「バルブモード」や、1枚のフィルムに重ねて露光する「二重露光モード」、近距離の撮影を可能にする「接写モード」といった新機能を搭載。高性能フラッシュや三脚用のねじ穴など、本格的な撮影に対応する細かな配慮にもぬかりはない。想定販売価格は2万円前後という。
富士フイルムイメージング事業部の山元正人事業部長は、「今回は『カワイイを超える製品』をコンセプトに、これまでのチェキを超えることを目指した。若い女性だけでなく、性別、年代を問わずチェキを楽しんでもらいたい」と語る。
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