ディープラーニングは芸術も変え始めている AI(人工知能)の最前線で起きていること
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)AI白書編集委員会が取りまとめた『AI白書 2017』(角川アスキー総合研究所)が7月20日に刊行された。同書はビジネスの現場でも身近になりつつあるAI(人工知能)の最前線について網羅している。
本記事は、そのうち44〜46ページ「ディープラーニングの芸術への応用」をIPAの許可を得て転載したものである。
絵画や音楽などの芸術分野にAIの応用が始まる
一般的には極めて人間的な行為と考えられている創造性が必要な絵画や音楽等の芸術分野においてもAIの応用が始まっている。
芸術への応用を目指す研究の端緒の一つは、画像を生成することに関する研究がいくつか発表されたことである。2015年、GoogleがAIを用いた画像処理アルゴリズムとして「Deep Dream」を公開した。Deep Dreamは、学習済みのCNN(畳み込みニューラルネットワーク)の内部がどのようになっているかを知るために開発された手法である。
学習済みのCNNに対し、指定した画像を入力し、写っている物体を例えば「犬」であると認識したとする。その場合、「犬」という判定結果を強調するように元の画像を少し変化させる。これを繰り返すことにより、画像全体を変化させていくものである。
このように、本来は学習済みのCNNの中を知るために開発されたアルゴリズムであるが、生成されるパターンがサイケデリックな画像となるため、一般にも注目を集めた。
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