驚愕実態!対北朝鮮制裁は「ザル状態」だった 平壌には今も多くの日本製品が並んでいる
また、NK Newsの取材によると、OCNは金融業にも乗り出している。同社は柳京商業銀行を設立し、前述の平壌の店舗にATMを設置済みだ。1万ドル以上の銀行預金残高を有する預金者には、両店舗での買い物で10%のディスカウントを受けられる特典も提供しているという。
北朝鮮の密輸ネットワーク
さらに、OCNは金融だけではなく、海運事業にも進出してきた。OCN傘下のシンガポール拠点の船舶会社は貨物船を保有する。そして、国連と米国のシンクタンクのC4ADSによって、北朝鮮の密輸ネットワークに関与していると指摘されたシースターシップス(海之星船舶管理有限公司)がOCN傘下の香港拠点の海運会社を運営しているとみられている。
北朝鮮の元幹部によると、日本製品を積んだ貨物船は、まず第三国である香港や、中国の天津に寄港する。そして、そこで別のコンテナに荷物を積み替え、平壌に近い北朝鮮の南浦港に貨物船を向かわせるという。
国連北朝鮮制裁委員会元専門家パネル委員の古川勝久氏は「OCNと金融と貨物船のリンクは非常に重要だ。シースターシップスと関係があるとは思わなかった。シースターシップスは、専門家パネルでもかなり追及した」と述べた。
歴史を振り返れば、北朝鮮は1990年代半ば、餓死者が数百万人にも及んだとみられる大飢餓に襲われた。国連の安全保障理事会や米国、日本は、核ミサイル開発を続ける北朝鮮に対して、厳しい制裁措置を科してきた。しかし、この間ずっと、北朝鮮は核ミサイル開発を続行した。平壌は一向に核ミサイル開発をやめていない。OCNの事例が示すように、北朝鮮に対する経済制裁は「ザル」状態で、制裁の実効性がまだまだ不十分な点がみられる。国際社会が制裁を強化し、北朝鮮に断固たる意志を示す余地は大いにある。
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