企業と就活生、こんなにあった「すれ違い」 「高年収」「即戦力」は学生には魅力でない

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「社会的責任の魅力」では、ほぼ5割の学生が「事業自体が社会貢献」、2割強が「法令遵守の姿勢」、2割弱が「女性活用の姿勢」を選択している。意外に「地球環境への配慮」は少なく、1割前後である。企業の順位もこの順番になっており、「事業自体が社会貢献」が6割強、「法令遵守の姿勢」は2割弱、「女性活用の姿勢」は1割だ。

「雇用の魅力」では、学生の4割は「福利厚生」を、3割は「社風・居心地」を選んでいる。「教育研修」や「年収」は1割程度と少ない。一方、企業が訴求したいポイントは、約半数が「社風・居心地」を伝えたいと考えている。次に伝えたいのは「教育研修」で約25%となっている。

4社に1社は「うちは人を育てる会社ですよ」とアピールしたいわけだが、学生は「教育研修」をそれほど重視していない。学生がもっとも重視する「福利厚生」を訴求する企業は1割強と少ない。企業は福利厚生をアピールすれば、それを気にする学生からの支持が多くなるかもしれない。

学生は福利厚生重視、「年収が魅力」は少数

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「採用活動の魅力」で学生がもっとも重視しているのは、「好感の持てる人事担当者」(3割強)と「好感の持てる一般社員」(3割弱)だ。「説明が詳細でわかりやすいセミナー・説明会」は約2割、「採用広報のイメージ」や「質問・疑問への対応」は1割を切っている。

ところが、企業が重視している採用活動は、「質問・疑問への対応」「説明が詳細でわかりやすいセミナー・説明会」「好感の持てる人事担当者」の3つで、いずれも3割弱となっている。これらはすべて人事が主役になって行うことばかり。どうも人事の自意識は強いようだ。学生が重視する「好感の持てる一般社員」は10数%と低い。

学生が影響を受けるのは人。人事からも社員からも、影響を受けている。セミナーで企業は、「何を話すか」「どう話すか」に重点を置いているのだろうが、「どう響いているのか」を考える必要がある。そのほうが高い採用効果を期待できるだろう。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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