心身を「OFFにできない人」が手放すべき欲望 頭をザワザワさせる"小人"とのつきあい方

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すでに疲れているからこそ、「休み」の時間には、真に欲望のスイッチをOFFにして、心身が緊張から解放されるようにしてやる必要があると言えましょう。

「欲」のスイッチをオフにする

それなのに、休みの時間にまで、現代人の多くが、SNSで自己表現の欲求や承認欲求に夢中になり、あるいは、有益な情報を探し回ったり、これから先、どうすれば自分がうまくいくかを考えたり。

どれもこれも「欲」のことばかりで、結局は神経をすり減らしてしまっているのは、もったいないことです。

もしも、このことが納得しにくければ、自律神経の仕組みを思い起こしてみてください。

動物が標的を狩ろうとするとき、交感神経が活発化して主導権を握り、体は緊張状態になり、血圧も心拍数も上がります。こうして、何か餌を取ろうとするような心の方向性が、欲望の本質です。

私たちは狩りはしませんが、自分の得になることをしようと考えているときが、この状態と言えますね。

さて、ここで餌をとった後の動物は何をしているでしょうか。

動物は餌を食べ終えると、のんびりしてグテーッと寝転んだりするでしょう。そのときは、副交感神経が主導へと切り換わっていて、体はリラックスしきって、血圧も心拍数も、安定するのです。

大切なのは、交感神経と副交感神経とが、バランスよく活性化していることです。

ところが、現代人は常時、欲望によって多くの時間を埋め尽くしてしまいます。交感神経ばかりが異常に活発化して、副交感神経がしっかり機能しなくなっているように思われます。

常時「何か得になるモノ・情報・考えなどを手に入れたい!」と興奮しているものですから、なかなか寝つけない人も多いようですね。

副交感神経が活発化してリラックスしきることと、睡眠は密に結びついていますので、交感神経ばかりを興奮させていると眠れなくなるのは、当然の結果と言えるでしょう。

では、しっかりと深く休息しきるには、どうすれば良いでしょうか。

私は布団に入ると割合にスッと容易に眠りに落ちて安眠できるものですが、布団の中で「眠ろう!」とか「眠りたい!」などと思ってはいません。

もしも、「眠りたい!」と思うことに必死になるなら、「早く眠って休みたい」という欲望が強く働く結果として、交感神経か副交感神経のどちらの自律神経が活発になるでしょうか? もちろん、興奮にかかわる交感神経が活発化しますよね。ですから、皮肉にも、いっそう眠れなくなるでしょう。

深く休息するためのヒントが、ここにあります。

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