トランプ「支持率最低」政権の深刻すぎる前途

就任半年で政策動かず、ロシア疑惑が重し

トランプ大統領の外交・安全保障政策の迷走はさらに深刻である。

外交政策は行き当たりばったりの感を否めない。選挙中にはNATO(北大西洋条約機構)は時代遅れであると、トランプ大統領はNATO解体を主張していた。だが、現在ではトランプ大統領はNATOの歴史的役割を評価すると語っている。

選挙公約では、海外への軍事的コミットメントを減らすと主張していたが、思い付きのようにシリアにミサイル攻撃を仕掛け、さらにアフガニスタンへの増派を決めている。対北朝鮮政策は中国政府に丸投げし、北朝鮮に圧力をかけるために派遣したはずの空母は、実は演習の一環だったと理由を付けて、既に日本海から引き揚げている。対中国外交の道筋も見えてこない。

政策立案に専門家が関わっていない

一体何が問題なのだろうか。

それは、政策がトランプ大統領の“思い付き”やホワイトハウスの大統領側近によって決められていることだ。ホワイトハウスのスタッフで依然として影響力を持つのは極右のスティーブン・バノン首席戦略官やスティーブン・ミラー補佐官である。

驚くべきことに、閣僚の最初の全体会議が開催されたのは6月12日である。その会議で閣僚たちはトランプ大統領礼賛に終始した。トランプ政権最大の問題は、経済、通商、外交、安全保障の分野の政策を立案する優れたスタッフがいないことだ。政策立案に携わっている著名な学者や専門家の名前を聞いたことがない。そもそも、3000~4000名と言われる各省の政治任命人事の多くが決まっていない。優秀な人材は、トランプ政権に参画することで経歴に傷が付くのを恐れている。優秀な専門家がいないため、政策がふらつき、具体的な方針が打ち出せないのである。

7月12日、民主党のブラッド・シャーマン下院議員(カリフォルニア州選出)が、トランプ大統領の司法妨害を理由に下院に「弾劾告発書」を提出した。正式な「弾劾告発書」が提出されたのは、これが最初である。大統領の弾劾は司法委員会が弾劾調査を行うかどうかを決議し、公聴会などの検証を経て、下院本会議の過半数の賛成で訴追される。その後、上院で裁判が行われることになる。ホワイトハウスのサンダース副報道官は、下院で共和党が過半数を占めていることから、「弾劾告発書の提出はまったく馬鹿げたことで、政治ゲームに過ぎない」と、一笑に付している。

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