G20ハンブルクサミット、安倍首相は埋没? 「トランプvsメルケル」の構図が鮮明に

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いや、もちろん「都民ファーストの会」の勢いはこれから失速するかもしれないし、安倍首相の人気が再浮上するシナリオだってあるだろう。それでも首都の選挙でつきつけられた結果は重い。なにしろ来年12月中旬までには、必ず次の衆議院総選挙がやってくる。そこで今回と同様の結果が出たら目も当てられない。

今回の都議会選挙、自民党は候補者1人に国会議員2人を張りつけて、補欠選挙並みの体制で戦った。つまり、多くの自民党議員が首都決戦に参加し、身にしみて逆風を味わったことになる。党執行部に対する見方も、相当に変わったのではないだろうか。

そんなわけで、「安倍首相は、早期に大規模な内閣改造と党役員人事に踏み切って、体勢立て直しを目指すだろう」などと言われている。もちろん、それはこういうときの常套手段だ。

安倍首相はG20サミットで存在感を発揮できるか

ただし自民党議員の立場で考えれば、「今度のオファーを受けるべきかどうか」で悩むことになるだろう。たとえば人気者の小泉進次郎衆議院議員が、農林水産大臣や文部科学大臣のポストで釣られるかどうか。あるいは来年の総裁選挙に出馬することを表明している岸田文雄外相は、この機会に閣外に去るのではないか。こうなると「安倍1強」ムードなど消し飛んでしまい、永田町はとっても久しぶりの「政局」モードになっているものと拝察する。

ひとつだけ間違いないことは、安倍首相はこの先の外交日程で失地回復を目指さなければならない。ドイツのハンブルクで行われているG20首脳会議(7月7~8日)に出席し、ついでに周辺国も歴訪する予定。といっても、行先はスウェーデン、フィンランド、デンマーク、エストニアと地味な国ばかりなので、外交得点を稼げるという感じでもない。実は5月の連休中に回る予定だったのが、北朝鮮情勢のあおりで延期された日程なのだ。

となれば、嫌でもG20サミットで存在感を発揮しなければならない。ところが議長役を務めるドイツのエンゲラ・メルケル首相も、似たようなことを考えているから面白い。

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