スズキ会長が株主総会で拍手喝采だった理由 インドでの工場増設も新たに発表

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総会には559人の株主が出席した(記者撮影)

修会長は「スズキは販売店を通じて売っていただく商売だ。直接販売は全体の2~3割。7~8割が業者に販売してもらっている。こうした中で、燃費不正で販売店の信頼を失ったのが一番いかんと気づいて、昨年は47都道府県すべて回らせていただいた」と振り返ったうえで、「幸いにも8月に国土交通省の発表があったように、カタログ値が実態燃費よりも遜色ないとお墨付きをもらって以降、全国行脚した結果、回復した」と語った。

さらに「車の商品を売ることよりも、心と心が合わなければ商売はできないとつくづく感じた。消費者の立場に立って価値ある商品を作ると同時に、売っていただくということを基本にしなければならない。社員教育を徹底して進めていくのでよろしくお願いします」と話すと、会場からはこの日初めて拍手が沸き起こった。

「株主の協力に感謝、感謝」

この後、俊宏社長も「チームスズキ一丸となって取り組むので、応援よろしくお願いします」と締め、6つの議案が了承された。所要時間は126分(昨年は97分)、出席者数は559人(昨年は642人)だった。

すべての議事が終わった後、修会長は「私事ですが、昭和50年代の始めから、足かけ40年にわたって定時株主総会の議長を務めさせてもらった。この間、いわゆる大過なく議事を運営させていただいたことに対して、株主の協力に感謝感激でございます。このあとの取締役会で会長として引き続き推挙されたならば、今までと変わらずチームスズキを見守りながら業績向上に貢献したい」と挨拶。最後の最後で俊宏社長をよろしくと語り、再び大きな拍手の中、終了した。

俊宏社長の議長デビュー戦ではあったが、修会長の存在感の大きさが目立った総会でもあった。

冨岡 耕 東洋経済 記者

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とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

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