藤井聡太四段の活躍に学ぶべき「3つの教訓」 将棋の天才が教えるAI競争時代の生き残り方

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1番人気がどのような条件で消えるか・消える可能性が大きいかは、馬券というゲームを戦ううえで重要な要素だ。彼の敗因は何だったのだろうか。また、馬券戦略のうえで彼を「消す」ことができるとすると、それはどのような理由からなのか。

思うに、昨年の有馬記念ではキタサンブラックを抑えたものの、一騎打ちと思われた天皇賞で3着に敗れ、宝塚記念で決着戦に臨むと思われたサトノダイヤモンドが、このレースを回避した時点で、先般キタサンブラックがレコード駆けして勝った春の天皇賞(GⅠ)が馬にとってダメージの大きな過酷なレースであったことに注意すべきだった。

馬は「駆けすぎ」、人は「賭けすぎ」に注意!

過酷なレースで強い勝ち方をした馬は次走人気になるが、この種の人気馬は実は危険なのだと教えてくれたのが今回のキタサンブラックの教訓だ。1番人気の消し方は、競馬の中でも重要な技術の1つだが、そのパターンの1つとして覚えておきたい。ひとことで言うなら「馬は、駆けすぎに注意!」ということだ。

そして、自戒も込めて言うなら、「人は、賭けすぎに注意!」ということなのだ。競馬は、細く長く楽しむのがいい娯楽だと筆者は思っている。

JRA(日本中央競馬会)の競馬はローカル開催の「夏競馬」のシーズンに入った。基本的に寒帯の動物である馬にとって、盛夏は勝負よりも充電の季節であり、一流馬の多くはこの季節の出走を控えるのが普通だ。

そこで、毎週週末の競馬を予想するのが恒例の当連載だが、予想は書いても書かなくてもいいというのが編集部の方針だ。

週末のラジオNIKKEI賞(7月2日、福島競馬場11R、GⅢ)については、前二走の大回りの東京コースが不向きだったと思われるステイゴールド産駒マイネルスフェーンと、福島向きの前にも行けるディープインパクト産駒のクリアザトラックを狙ってみたいと思っている。

ちなみに、この日は藤井四段が自らが持つ記録を更新する30連勝を懸けて戦う竜王戦決勝トーナメントの対局がある。勝負としても大きいし、対局料も高く、しかも相手の佐々木勇気五段は強敵だ。内容が大いに楽しみだ。

人気経済評論家・山崎元さんのトークイベントが開催されます。
 ・日時:7月6日(木)
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山崎 元 経済評論家

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やまざき はじめ / Hajime Yamazaki

1958年札幌市生まれ。東京大学経済学部卒業。経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員、株式会社マイベンチマーク代表(投資と投資教育のコンサルティング会社)と複数の肩書を持つ。三菱商事、野村投資信託、住友信託銀行、メリルリンチ証券など計12回の転職経験を生かし、お金の運用、経済一般、転職と自己啓発などの分野で活動中。著書に『超簡単 お金の運用術』(朝日新聞出版)『「投資バカ」につける薬』(講談社)『お金がふえるシンプルな考え方』(ダイヤモンド社)など著書多数。馬券戦略は馬連が基本。【2024年1月5日編集部追記】2024年1月1日、山崎元さんは逝去されました。心から哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りします。

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