小池百合子の「戦闘服」はこう計算されている あの"風呂敷スカーフ"にも意図がある
最初に申し上げておくが、筆者は小池百合子都知事の敵でも味方でもない。ファッションを生業とする立場から、彼女のファッションが政治的な場面で使われていることに興味を持ってウォッチしている中立の立場である。そのことを加味して読んでいただきたい。
小池都知事は「服装を戦略的に使っている」
筆者は政治家関係のコーディネートを過去手がけたこともあり、政治世界の女性のファッションに長年注目してきたひとりだが、小池氏はその中でも極めて独特の存在だ。彼女は日本の女性政治家の中で最も「服装を戦略的に使っている人」といっていい。
先日それを実感することがあった。6月1日木曜日。この日ちょうど、都の定例会見に彼女は出席していた。その時彼女が着ていたのは紺のジャケットにオリンピック柄の風呂敷スカーフ。その日の午後、彼女は「都民ファーストの会」の代表就任が決まった。決起大会に出席した彼女は先ほどの紺のジャケットを脱ぎ、都知事選で着ていた百合子グリーンのジャケットに着替えて壇上に立っていた。
都知事としての顔、新党代表としての顔。その二面をまさにこの2着のジャケットで演じ分けるあたり、さすが戦略家である。
これが男性だったらどうだろう。せいぜいネクタイを変えるくらいだったのだろうと思う。テーラードスーツというお決まりの形式の中で、遊べるのはネクタイとシャツくらい。シャツですら、色や柄で遊べる政治家はそうそういない。反面、女性の服はデザインの選択肢も多いだけに、個性を如実に表してしまう。自己アピール、セルフブランディングに服装はとても密接に繋がってくる。
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