熱狂的トランプ支持者は今どうしているのか

若年層では支持率が伸びていた!

しかし、アメリカという国は巨大で、都市部の多い沿岸地域と内陸では、支持する思想や文化が大きく異なることはもちろんのこと、生活自体がまるで異なる。トランプ政権を支持する若者たちが多く住む中西部や中南部は、とにかく仕事がない。働きたくても働く場所がない苦悩を抱える彼らにしてみれば、アメリカ第一を掲げ、国際世論からたたかれながらも選挙公約を推し進めようとするトランプ大統領は、やはり希望の星なのである。

筆者は現在、リベラル派が優位なワシントン州シアトル近郊に住んでいる。久しぶりに先日、以前暮らしていたサウスキャロライナ州に住む友人と話したのだが、彼女にシアトルやその近郊では、トランプ大統領を支持した地域の人たちの多くが自分の投票を後悔し始めたと思っている人も多いと伝えると、こう返ってきた。

「何を寝ぼけたことを言っているの? 政権が始まってたった半年で、そんなことがあるはずないでしょう。私の周囲はまったく変わらずトランプ大統領を支持しているし、トランプたたきが悪化すればするほど、彼が仕事をできないようにと仕向けているメディアへの嫌悪感が増していくだけ。あなたも相当リベラルマインドに汚染されているわね」と失笑された。人間は目の前に見える現実ばかりにとらわれるが、現実というものは住む場所が違えば当然違うのだという、当たり前のことを再確認させられた気持ちになった。

「隠れトランプ」はどうなった?

それでは都市部では、トランプ支持者はまったくいなくなってしまったと言えるのだろうか。その答えは「NO」だ。大統領選挙中に「隠れトランプ」と言われたような人たちで、かつ沿岸部に住む人たちの中には、もちろん政権発足後に失望感を覚え、トランプ政権不支持に回った人もいる。私の知る人でも「アメリカを変えてほしかったし、ヒラリーよりはよかったからトランプに投票したが、今の結果にはガッカリだ」と公言する人もいる。

しかし、それでもトランプ大統領に投票した人が、こぞってそれを後悔しているとは言い切れない。特に私の住む地域は米海軍の潜水艦の拠点がある場所で、トランプを支持した軍事関係者が多く住む土地でもある。

リベラルなシアトルから至近ではあるものの、リベラルと保守のバランスが微妙で、シアトルのように「町全体が民主党支持」では必ずしもない。数は少ないが、保守層の中でも「超保守」に入るような人もいるため、うっかりすると驚くような保守対リベラルの言い争いが起こることもある。

つい最近も、子どもの学校の遠足でとんでもない言い争いが起こった。ことの発端は、その日が6月だというのに異常に寒かったことが原因だ。ご存じのようにトランプ大統領は先日、国際的な気候変動への取り組みであるパリ協定からの離脱を発表した。世界はトランプ大統領のこの決定を痛烈に批判し、アメリカ国内はほぼパニックといってよいほどの大騒ぎとなった。

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