阪急阪神HD株主総会で関西の株主が吠えた! 接客態度からタイガースまで質問はさまざま

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――他社のトイレは阪急よりもきれいだ。

当社もトイレに力を入れていた時期がある。その頃は他社が「阪急を見習え」と言っていた。しかし阪神淡路大震災後、そうした設備への投資が後回しになってしまった。4~5年前からトイレ改装に再び取り組み始めたが、1カ所で何千万円もかかる。時間はかかるが着実にやり遂げる。

――阪神なんば線と近鉄奈良線は相互直通になって便利になった。阪急と阪神もつなげたらどうか。

阪急と阪神はつなぐ場所がない。相互乗り入れは国の運輸政策審議会の答申で決まるが、今まで検討の俎上に載ったことがない。

――5月7日12時23分に阪急バスに乗っていた家族が泉ヶ丘北バス停近くで、怖い目に遭った。下りカーブでバスの側面がこすれた。なぜ運転の下手な人に運転させるのか。また、会社にクレームをしたがホームページに事故内容が掲載されていない。

新人運転手の研修中に起きた事故だ。教育指導を徹底する。

――教育を徹底するという簡単な話ではなく、阪急バスの乗務員数が足りないのではないか。

国全体で大型バスの運転に必要な大型2種免許の取得者が減っている。しかも取得者には60代後半の人が多い。当社では月2回採用し、免許を持っていない人は免許取得の支援をしている。

「阪急も球団経営に参加すべき」

阪神ファンの株主はオレンジの列車に拒絶反応( ブレービー100 / PIXTA)

――阪神の各駅停車用の列車は1編成がリニューアルされて色が変わったが、急行系列車の色は変えないのか。

阪神タイガースのライバル球団(巨人)の色だ。この電車に乗るのは気分が悪い。普通列車の色を変えるなら急行列車の色も変えるべきだ(会場から拍手)。

以前にも同じ意見をもらった。現在の色は新造のときに検討して決めた。次期リニューアル時には検討するが、現状ではこのままでいきたい。

――かつて阪急にも阪急ブレーブスという常勝球団があった。なぜ球団経営において阪急と阪神の交流がないのか。阪急側の人材を取り入れてオール阪急阪神体制でもっと強いタイガースにして欲しい。

阪急鉄道の課長がタイガースのマネジメントをするのは難しい。若いうちから人事交流をしないといけない。来年度からホールディングスが総合職を一括採用する。これをきっかけに阪急と阪神の人事交流を進める。タイガースはオーナーとも相談しながら慎重に考えたい。

――京阪(京阪電気鉄道)が8月から京都・出町柳―大阪・淀屋橋間に有料座席指定列車を導入するが、阪急は気軽に誰でも乗れる今のスタンスを続けて欲しい。

大阪と京都は所要時間が短いことに加え、お客様からの要望が少ないので、有料座席指定列車の導入する計画はない。

――阪急の発車メロディが好き。他社では駅の改装に合わせて発車メロディを変えるケースがあるが、阪急は変えないでほしい。

変える予定はない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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