能町みね子さんが始めた「夫婦(仮)」の真相 ゲイライター・サムソン高橋さんとの新生活
能:同性婚は全然あったらいいと思いますけどね。
サ:希望がかなう世界になればいいなとは思ってます。幸せな人は幸せになってっていう(笑)。
能:芸能界のLGBTで言うと「求められる振る舞い」をせざるを得ない人が多い気がしちゃうんですね。ちゃんとおネエをやらなきゃいけない。そのなかでマツコ(・デラックス)さんが「おネエタレント一覧」みたいなところに入らないのはすごい、と思っていて。
サ:見た目が小林亜星と京塚昌子だから。昭和のお父さん、お母さんの合体型。最強だよ。
能:一応LGBTのTとして言うと、このところ、そのことに自著では全く触れていないんですよ。テレビでもほとんど。空気悪くなってもいいから、やめてほしいとはっきり言ってきた。でも、聞かれたら答える。「隠している感」を出すのも嫌なので。そのへんは結構丁寧にやっているつもりです。
モテない者同士で…
サ:私が最初にみね子を知ったのが『オカマだけどOLやってます。』(竹書房)。本屋に並んでて、「何これ?」って思った。
能:オカマをあえて使って。自虐というか自嘲みたいな。
サ:私も「ホモ」として「なんだ、『オカマ』を使って売れようとして」と思った。ところが、ロックバンドの「ゆらゆら帝国」とか「あぶらだこ」の話をしていることを知り、「こっち側の人間じゃないか」と。
能:それは私も同じ。(高橋さんの)音楽の趣味とか、リスペクトしている。
サ:ちょうどそのころ、私も「モテない系ゲイ」の連載を始めて、それが本になったりした。だから私たちは「LGBT」カップルというより、「モテない者同士」な感じ。……全くモテなかったわけではないのよ。何というか、ウェーブに乗れなかったの。
能:婚期を逃したみたいな?
――今後の生活に向けて、どんなことを思っているのだろう。
サ:困ったら養って。
能:全然養う気満々ですよ。……家事はお願いします。
サ:頑張るよ。
能:もっと感動的に締める?
サ:アエラが出るころ、仲間割れしてたりして。
能:そうしたらこれ、黒歴史だなあ。
(構成/ライター・加賀直樹)
※AERA 2017年6月12日
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