渋滞の都を快走「バンコク空港鉄道」の存在感 車内は混むが時間どおりで安心

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右側がかつてのエクスプレスラインの車両(写真:yuyu / PIXTA)

以前は料金が割高でスワンナプーム国際空港駅とマッカサン駅のみ停車の特急「エクスプレスライン」も走っていたが、今は廃止されている。ラッシュ時だけでも、通常列車と同額で利用でき、主要駅のみ停車の列車を走らせることがあってもよいと考えるのだが、日本のような理屈だけでは海外では難しい。

「エクスプレスライン」が走っていた頃は、各駅停車「シティライン」と改札が別になっていた。韓国の仁川空港とソウル駅を結ぶA'REXでも「直通列車(快速)」と「一般列車(各駅停車)」で改札口が異なるなど、海外では同じ鉄道会社でも列車種別によって改札が異なることは珍しくない。

日本では、乗車券のみで利用できる列車と、乗車券+特急券で利用できる特急列車があるが、改札口が完全に分離されているケースは少ない。改札が異なると、利用者にとって不便を強いられることも多い。目的地に先着する列車に乗りたい利用者にとっては特に面倒となる。

ラッシュ時の増発が望まれる

エアポートレールリンクの車内。ラッシュ時は混み合う(筆者撮影)

その点、海外でもロンドン・ヒースロー空港とロンドン市内中心部のパディントン駅を結ぶ空港鉄道では、ノンストップで結ぶ「ヒースローエクスプレス」と「ヒースローコネクト」があるが、改札口もホームも一緒であり、乗車前に発車時間によって、乗車する列車種別の乗車券を購入すれば問題ない。非常に効率的な仕組みになっている。

バンコクの場合、市内までの距離も長くないことから、日本のように運賃は同一の快速列車を走らせて、ラッシュの大混雑に巻き込まれない状況になれば、さらに利便性が増すだろうが、まずは現実的なところとしてラッシュ時の増発を願いたい。

鳥海 高太朗 航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

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とりうみ こうたろう / Kotaro Toriumi

1978年千葉県生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。食品会社、コンサルタント、城西国際大学観光学部助手を経て現職。専門は航空会社のマーケティング戦略。利用者・専門家の双方の視点から各社メディアを通じて情報発信をしている。

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