18歳で妊娠した女子高生が学校から受けた罰 キリスト教の相反する2つの価値観
ランクルスが妊娠を知ったのは今年の1月だった。その数日後、進学を希望していたサウスカロライナ州のボブ・ジョーンズ大学から合格通知が届いた。
最初は妊娠を秘密にしておこうとした。また「一瞬だけ」中絶についても考えたという。だが数日後、ランクルスは母のシャロンに打ち明けた。やがて父親は、ホブスと理事会に知らせるため、「緊急会合」を開いたという。
ヘリテージ・アカデミーは未就園児から高校3年生まで、全校生徒が200人に満たない学校で、1969年に子どもの親たちが設立した。その9項目の「信条」では、「男性と女性の結婚以外では、性的行為は行われない」と言明されている。
ランクルスは「学校の規定を守らなかったから」罰を受けることはわかっていたと言う。ホブスが彼女の妊娠について学校の上級生に知らせると決めたとき、彼女は自分で話すと言った。そして、学校の講堂での会で皆に伝えた。
多くの生徒が彼女に「ありがとう」と言った。ランクルスは、これまでに停学になった生徒、たとえば飲酒してそれを隠そうとした生徒などと比べると、厳しく扱われたと感じている。
産むと決めた女の子を助けて
彼女は制服のポロシャツとカーキ色のスカートの上にジャケットを着て、大きくなってきたお腹を隠している。ほかの生徒を気まずくさせないためだ。両親はヘリテージ・アカデミーの卒業式の翌日に、独自の卒業式を行うことを計画している。
ランクルスは言う。「赤ちゃんの中絶に反対する人たちはいる。でもその中には、赤ちゃんを産むと決めた女の子を助けようとしない人たちもいる。それを見ていると、正直なところ、中絶したほうがよかったのかもしれないという気持ちになる。彼らもいまの状況に対処することを考えたら、許してくれたのではないかと」。
(執筆:Sheryl Gay Stolberg記者、翻訳:東方雅美)
© 2017 New York Times News Service
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