35歳で億万長者、米「ハンバーガー姫」の素顔

イン・アンド・アウト・バーガー創業夫妻の孫

したがって、イン・アンド・アウトではファストフードとはいえ、10分ほど待たされるのが通例だ。ことに昼食時になると、ドアの外から行列を作っている人、自分の注文を待っている人、テーブルを探す人などで店内はごった返している。だが、誰もが美味しいハンバーガーを食べるためにここに来た。そのせいだろうか、店内には不思議なほどにイライラした雰囲気がなく、みんなハッピーな顔をしているというのが特徴だろう。

さて、リンジーが35歳で後継者となった裏には、数々の悲劇もかかわっている。

イン・アンド・アウトは創業以来、非公開のファミリー企業として経営され、フランチャイズも行わず、直営だけでチェーンを増やしてきた。新鮮な食材が手に入るところと、優秀な人材がいるところにしか拡大しないという、かたくなな姿勢でやってきた。

父親は薬物中毒、自分は18歳で結婚

そうした路線を敷いた創業者の祖父が1976年に逝去した後、チェーンを継いだ叔父が1993年に飛行機事故で死亡。その後、リンジーの父親がトップに立った。ところが、その父親も1999年に薬物の過剰摂取で死去する。当時、リンジーは17歳。父親は、彼女が5歳の頃から薬物中毒に陥り、薬物のリハビリ施設を出たり入ったりしていたという。

リンジーの父母は彼女が12歳のときに離婚しており、父親が亡くなったときはすでに何年か経っていたが、父親に近かったリンジーのショックは大きかった。小さい頃から父親はいつも彼女を笑わせ、まるで大人のように扱ってくれたという。その父親の死後、彼女は離婚と結婚を4度も繰り返すという、波乱の人生を始めるのだ。

寂しさを紛らわすために、高校時代のボーイフレンドと結婚したのは18歳の時だった。同時にイン・アンド・アウトの経営にもかかわるようになり、人事やマーチャンダイジングなどを担当した。その頃はまだ祖母のエスターが存命で、全社の日々の業務は彼女の指示が動かしていた。大学には進学しなかった。

だが、結婚はすぐに破局を迎える。彼女はマリファナとアルコール漬けの日々を送るようになったが、すぐに別の男性に乗り換えて結婚。今度の夫は、イン・アンド・アウトの社員だった。2人の子供にも恵まれたというのに、結婚中にレースカードライバーと恋に落ち、7年後に離婚。このドライバーとの間にも子供が生まれたが、この結婚も数年で終わった。後に、夫は「金目当てだった」とリンジーは語っている。

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