「日本製3%」で沈むアパレル工場が生き残る道 3Kの印象変えよ!ルンバ導入の次世代工場も

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ただ、工場とて手をこまねいているだけではありません。最近、就活イベントに参加する工場がちらほらと現れ始めているのです。そして、学生たちの中にも地元の工場を就職先の1つとして検討する人が出てきています。

背景には、豊かさの価値観が変わり始めたことがあります。都心で働くよりも、地方で自分らしく生きるという働き方が市民権を得てきたことで、U・Iインターンを希望する学生が増えているのです。

こうした状況を受けて、学生に対して自発的なアプローチを行う工場も増えています。地元の高校の授業に縫製作業の実習を取り入れてもらったり、社会科見学として工場を見学してもらったり。

私が代表を務める、国内工場で製造した商品を扱うブランド「ファクトリエ」でも、2015年から工場の採用活動を促進させるイベント「工場サミット」を開催しています。工場の代表や職人と学生の交流の場を作るというもので、2016年には高校生から服飾系の学生、東大生まで、100名の学生さんが集まりました。

ただ、工場で働くことを考えたとき、以前にも増して重視されるのが、労働環境です。保持している技術が高く、生み出す商品に魅力を感じてもらったとしても、働く環境が良くなければ学生は二の足を踏んでしまいます。

労働環境の整備という観点で先進的な取り組みを行っているのが、デニムの街、岡山県に新本社ビルを置くカイタックインターナショナル社です。2年前に3億円かけて工場を大々的にリノベーションし、もともと倉庫が置かれていた日当たりの良い場所に敷地を移設。私が足を運んだときには、 床にルンバが駆け回っており、工場全体に清潔感があふれていました。また、千葉県東金市のクチーレ社も今年工場を大きく改装し、働く方がユニホームとして白衣を着るなど一体感のある工場になりました。

クチ―レ社では、働く人の服装を白衣で統一、一体感のある職場にした(提供:ファクトリエ)

採用活動にしろ、労働環境の整備にしろ、学生に振り向いてもらうための動きかけを積極的に行っている工場は、往々にして採用に成功しています。就活の選択肢として工場が当たり前のように検討され、培ってきた技術が継承されていく。働き方が見直されている今、そんな未来を切り開いていくチャンスが訪れています。

「外資系コンサル」出身跡取り息子が変えたもの

さらに、異業種からの血も業界を活性化させています。アパレル工場は、世襲で脈々と歴史を受け継いでいるところが多いのですが、後継者が見つからないという問題がつきまとっていました。そんな中、岐阜で130年の歴史を誇る老舗テキスタイルメーカー「三星毛糸」の5代目を継いだ岩田真吾さんは、特異なキャリアを歩んでいます。

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