終電後でも「乗り継ぎ」で帰れる裏技がある プロが伝授する、首都圏の「終電ダイヤ」3選
首都圏では乗り継ぎに俗称や愛称がつくようなパターンはほとんど見掛けない。日中でも10分も待たないうちに次々と列車がやってくるため、特定の列車間の乗り継ぎがクローズアップされるようなことはないからと思われる。
そんな中で、終電間際の深夜帯では「遠回りをするといつものルートより遅く出発しても帰れる」ということがある。一見すると矛盾するようなことだが、まずは2パターン紹介しよう。なお、これから紹介する時刻などは2017年4月現在の情報に基づく。
遠回りすると遅くても帰れるルートが
渋谷駅から武蔵浦和駅に向かうには、JR埼京線に乗れば乗り換えなしだ。しかし、埼京線の大崎―新宿間の終電が終わった後の深夜にも帰れる別ルートがある。それは「池袋・赤羽・南浦和経由」だ。
渋谷駅からの埼京線の終電は23時41分発の通勤快速川越行き(土休日は快速)だが、この列車に乗れなかったからといってあきらめることはない。23時51分発の山手線に乗って池袋駅に向かい、埼京線の0時12分発赤羽行きに乗り換えると、さらに赤羽駅から京浜東北線、南浦和駅で武蔵野線に乗り継ぐことができ、0時49分に武蔵浦和に到着する。このルートを知っていると、渋谷発の終電の時間が10分延びる。ビール1杯分多く飲めるかもしれない。
この乗り継ぎはちょうど「ひしゃく」のような形をしている。池袋駅までの山手線を柄の部分、埼京線・京浜東北線・武蔵野線をお玉の部分と見れば、夜空に輝く「北斗七星」に似た形が浮かび上がる。
余談だが、武蔵野線の終電は東所沢行き。東所沢駅が北極星の位置のような存在になる。
御茶ノ水駅から池袋駅へは東京メトロ丸ノ内線、渋谷駅から吉祥寺駅へは京王井の頭線を利用して乗り換えなしで行くのが所要時間的には有利だが、これらの終電を逃した後は、JRの「新宿経由」で。山手線外回りの池袋行き(15番線)と、中央線の各駅停車三鷹行き(16番線)が、新宿駅で接続待ち合わせを行う。
相互の列車の乗り換え時間は1分ほどだが、同一ホームの対面乗り換えなのでスムーズ。この乗り継ぎを駆使すれば、平日ダイヤでは御茶ノ水駅→池袋駅で丸ノ内線の終電(0時28分発)より15分、渋谷駅→吉祥寺駅で井の頭線の終電(0時40分発)より12分も遅く出発できる。
路線図的には山手線と中央線各停が新宿駅でクロスすることから「新宿ミッドナイトX」と覚えてみてはいかがだろうか。
ちなみに、中央線各停から山手線の渋谷方面(内回り)へは代々木駅で乗り換えよう。こちらも同一ホームなので便利。「代々木ミッドナイトΛ(ラムダ)」も併せてどうぞ。
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