「資格に挑む自分」に酔いしれるのは危険だ

まず「キャリアの軸」を考えなければ後悔する

ちなみに私にとって若い頃のキャリアの軸は、数値分析の能力と英語力でした。数値分析能力を起点に、たとえば「分析する→メッセージを導き出す→他人に伝えるストーリーを構築する→伝える表現力を鍛える」というように自分の技を広げ、現在も社内外にメッセージを伝える必要のある経営者としてやっていますし、いざとなれば英語力と掛け合わせる、または英語力だけでも仕事にありつける自信はあります。

当然、最初から何も完璧だったわけではありませんが、まずはその軸となる領域に注力することで、自分の基礎となる技を固め、そこを基軸として将来を考える、ということをしてきたわけです。このように、キャリア上の発展可能性という攻めとセーフティネットという守りの双方を考えるうえで大切なのが「軸」です。

岡野さんは現在27歳ということですから、このキャリアの軸を考える際に、これからの経験をもって軸を作るという年齢ではありません。今後のキャリアを考えるうえでどんどん領域を広げる、新しいことへの挑戦はもちろんいいのですが、やみくもに挑戦してもいい年齢では正直ありません。20代前半や中頃であればまだ「ポテンシャル採用」の網にかかる可能性もありますが、20代も後半になると新しいことにゼロから挑戦しようにも、採用者からはあまり認められないのが実情です。

「将来の可能性」で採用される方法があるとすれば、今までやってきた分野でそれなりの成功を収めているという実績を武器に、別の分野でも成功する可能性の高い人物であると認められるか、今までやってきたことを起点に採用され、そこからプラスアルファの仕事へと広げる、というくらいでしょう。

岡野さんの場合は失礼ながら前者の方法は厳しいでしょうから、後者しかありません。岡野さんは最初の会社ではアルバイトから準社員になっていますから、どこか評価されていたポイントがあるはずです。そのポイントを軸として、または卸という会社における経験をまずは軸として、採用の網に引っ掛かることを優先すべきです。そしてその分野を起点として、将来、どんどんスキルと経験を広げていけばよいのです。

まずはレースに参加できるように

武器を持たないまま飛び込んで行って、将来の可能性を広げるレースに参加することもできないのでは意味がないですよね。だからこそ、実績がほぼない今の時点であれもこれもと考えずに、ご自身が戦える、レースに参加できる分野にまずは絞って、そこで勝負できるようになることを考えるべきなのです。

簿記の資格など新しいことに挑戦をすると、何となく自分では1歩進んでいるように思えるかもしれませんが、年齢を考えると世間はそうは見てくれません。10代でも資格取得者が大量にいますから、考えれば当たり前ですよね。

であればそういった人たちとの差別化を図るべく、今までの経験に加えて簿記という知識をミックスするなど、つまりご自身の軸との掛け算で考えるべきです。そうでなくとも今までの数年間を無駄にしないためにも、過去の自分との掛け算で考えるべきです。

いずれにせよ、今後の突破口となる入り口は今までの経験です。どんな経験をしてきたか、何が評価されていたのか、何が自分の武器なのか、そういったことを起点に将来のキャリアの発展を考えてみてください。年齢も年齢ですから、プランなく新しいことに挑戦するのではなく、過去の自分をベースとした視点をつねに忘れずに。

岡野さんが灯台下暗し状態から脱却し、将来成功されることを応援しております。

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