片岡鶴太郎「定年後に遊ぶのでは遅すぎる」

自分の魂を喜ばせるのは何か知っていますか

私に最初に絵を描かせてくれた赤い椿の花は、私が気づくずっと前からそこに咲いていました。

普段は気づかなかったその存在に気づくことができたのは、心が自分の内に入っていたからだと思います。調子がよくてイケイケのときほど、そういうものに目が行かないものです。

そう考えると、がむしゃらに働く20代、30代を過ぎて、少し余裕が出てくる頃こそチャンスではないでしょうか。それはある意味、神様からのプレゼントだと思うのです。

30代後半ですべてをなくした孤独感、無力感、焦燥感がなければ、私は椿の存在に気づかなかったでしょう。周りの人間も、いえ私自身でさえ、絵を描くことになるとは思っていませんでした。それがあの日、早朝に気づいた椿の存在で、道が開けたのです。

「ボクシングの次は絵なんかやって、今度は芸術家気取りかよ」

と口さがないことを言われたこともあります。でも、何を言われても構いはしません。私の魂の根源的な欲求なのですから、どうしようもないのです。

まったく不安はない

『50代から本気で遊べば人生は愉しくなる』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

そして今の私には、まったく不安はありません。さまざまな人との出会いやたくさんの贈り物によって、魂の歓喜を感じることができているからです。

おカネがあって、大きな家があって、高級車に乗って、贅沢な料理を口にして、すてきな家族に囲まれてと、多くの人が信じる幸福像は、ひょっとして自分自身の幸福ではないかもしれません。

そのことに気づかず、自分の魂に背いた生き方をすることで、不安になる。その不安を打ち消そうとすると、ますます不安になる。少なくとも私はそうでした。

自分の魂が歓喜するシード(種)は、自分の中に必ずあって、自分にしか気づくことはできません。もしも小さなシードの存在に気づいたら、水をやり、声をかけ、慈しんで育ててください。失敗してもめげず、周りの人が何と言おうと振り回されずに。最後に私の大好きな言葉を記します。

汝の立つところ深く掘れ、そこに必ず泉あり

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 越湖信一のスーパーカー列伝
  • トクを積む習慣
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
菅新政権が誕生しても<br>「安倍時代」は終わらない

牧原出氏執筆の連載「フォーカス政治」。9月16日に菅新首相が誕生しましたが、施策の基本線は「安倍政権の継承」。惜しまれるように退任し、党内無比の外交経験を持つ安倍前首相は、なお政界に隠然たる影響力を保持しうるとみます。その条件とは。

東洋経済education×ICT