日本株は、もう一段上昇するかもしれない 「グランビルの法則」がハマった4月の相場
一方、為替市場でも円高進行が一段落している。フランス大統領選挙の第1回投票では、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン氏、極右政党の国民戦線のマリーヌ・ルペン党首が選出された。反欧州連合(EU)派同士となる波乱シナリオはひとまず消えた。
投資家のリスク回避姿勢もいったん和らぎ、相対的に安全資産とされる円の持ち高を解消する動きとなっている。チャートでも200日移動平均線(109円前後)を一時下回ったものの、足元ではドル買いが優勢だ。なお、3月の日銀短観によると、2017年度の大企業製造業の想定為替レートは1ドル=108.43円だ。国内上場企業の決算発表が本格化しているなか、今後は2018年3月期の業績見通しにおける各社の想定レートに注目が集まる。
今後の日本株はどうなるのか?
さて、今後の日本株はどうなるのか。テクニカル面から予想してみよう。4月14日に日経平均株価は年初来安値を更新(終値ベース)。「地政学リスク」の高まりから円高が進行、1万8335円まで調整した。しかし、右肩上がりの200日線の手前で下げ渋り、足元ではいったん反発している。前述のグランビルの法則では「買い乗せ」の局面だったとの見方もできる。
また、昨年11月以降の「トランプラリー」(1万6251円→1万9633円、日中値ベース)の上げ幅は3382円だ。その上げ幅に対して、「フィボナッチ計算値」を使い「38.2%押し水準」を計算すると1万8342円。4月14日の安値とは結果的にわずか7円しか違わず、この値を意識したのかもしれない。
2015年以降、東証1部の時価総額が500兆円前後までしぼむと、年金基金の売買を反映する信託銀行が日本株の下値を買い続けている。今年の相場では、3月に590兆円台まで達していた東証1部の時価総額が4月中旬には550兆円台まで縮小していた。今後は、この信託銀行が買い越しに転じるかに注目だ。なお、最重要の海外投資家は4月に入って日本株を買い越している。
4月25日に日経平均株価は心理的な節目とされる1万9000円台を回復した。ただ、市場全体の「買われすぎ」(120%超)や「売られすぎ」(70%未満)を示す騰落レシオ(上昇銘柄数を下落銘柄数で割ったモノ、25日平均)は、27日現在で103%台。まだ買われすぎとまではいえないゾーンだ。ドル円相場が落ち着きを取り戻すなか、国内企業の決算発表で堅調な増益見通しが確認できれば、日本株の見直し買いには期待が持てそうだ。
チャート分析といえば、短期的な5日線(1週間)や25日線(1カ月)の動きを機敏にとらえるイメージが強いかもしれない。ただ、グランビルは自らが編み出した法則によって、長期的な200日線から相場の大局をとらえ、冷静な売買判断を促したといえる。200日線の傾きから「上り坂」と「下り坂」を見極め、200日線との乖離から「まさか(急落)」を回避することが大切だ。
さて5月20日(土)、私が所属している特定非営利活動法人・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では「テクニカル分析について学びたい」という読者の方々のために、福岡・博多でセミナーを開催いたします。講師は、ボリンジャーバンドの開発者であるジョン・ボリンジャー氏です(今秋は東京・大阪でも開催予定)。もちろん、日本語の通訳もつきます。
ボリンジャー氏が自ら開発した「武器」を使って日本株を分析すると、どのように映るのでしょうか? 今後は上昇でしょうか、それとも下落でしょうか。ご興味のある方は、NTAAのHPの専用フォームから、ぜひお申し込みください。
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