「宅配ロッカー」激増を支える黒子企業の正体 大手デベロッパーが採用、新機能が次々
「ライオンズマンション」などを展開する大京は、全戸分以上の宅配ボックスを備え付ける。宅配ロッカーと郵便ポストとを一体化させた各戸専用の新型宅配ボックスを開発。ゴルフバッグやスキー板など大型の宅配物を入れる共用ボックスも併設することで、住戸に対する宅配ボックスの装備率を120%にするという。
もう一つの特徴は、異なる宅配事業者の荷物や複数の荷物を1つのボックスで受け取れることだ。そうすれば空間をより有効利用できる。大京では2018年3月に竣工する新築物件より採用を始め、大規模修繕などを通じて既設のマンションにも導入を推奨する。
実は、これら新型宅配ロッカーの開発を一手に引き受ける黒子企業がいる。宅配ロッカー業界でシェア6割を誇るフルタイムシステム(東京都千代田区)だ。
宅配ロッカーのパイオニア
同社は1983年、マンション用宅配ロッカーを初めて開発した業界のパイオニア。設置・管理する宅配ボックスは全国で約2万4000台にのぼる(2016年5月時点)。
その生い立ちゆえに、マンション用宅配ロッカーの標準は同社が作ってきた。たとえば、これまでマンションに設置される宅配ロッカー数は全住戸の12~15%がほとんどだった。フルタイムシステムは自社管理の宅配ロッカーをネットワークで結び、稼働状況をデータとして蓄積している。それを解析した結果が12~15%だったためだ。ちなみに数字に幅があるのは、ワンルームかファミリー型か、繁華街か郊外かなどによって必要とされる数が変わってくるからだという。
ただここ数年、それだけでは宅配ロッカーが足りなくなってきた。同社では遠隔監視している宅配ロッカーがすべてふさがってしまうと、コントロールセンターで満杯警報が出る仕組みを作り上げている。その警報が頻繁に発生するようになったのだ。
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