宴会活況!ビール市場に景気回復の兆し 次なる期待は、家庭向けビールの復活

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消費活性化には本格的な景気回復が必要

ただ、現段階では、こうした動きがビール類の総需要を押し上げるには至っていない。アサヒは年初のビール販売計画を150万ケース下方修正。一方で、発泡酒を100万ケース、新ジャンルを50万ケース上方修正し、販売数量合計は1億6400万ケースで据え置いた。昨年新発売しヒット商品となったスーパードライの派生商品「ドライブラック」の反動が出た一方で、今年新発売した新ジャンル「プライムリッチ」が好調なためだ。

業界関係者は「新ジャンルは改良を重ね、品質が相当上がり、家庭用に定着している」と話しており、新ジャンルからビールへの回帰はなかなか難しそうだ。

キリンの場合は、ビールの計画を引き上げた一方で、新ジャンルの計画を引き下げ、合計の販売数量計画は据え置いている。三宅占二社長は「業務用の樽詰め生ビールは昨年末からプラスで推移しているが、家庭用市場は低価格の新ジャンル中心という傾向は続いている。景気が本格回復すれば、家庭用市場も活性化するだろう」と述べており、アベノミクスで総需要をプラス転嫁させるには、現段階では力不足の状況と言えそうだ。

(清水 律子 編集;田巻 一彦)

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