スタバ「今年のフラペチーノ」は何が違うのか ドーム状のパイがかぶさっている

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しばらくチェリーとクリームのスイートなコンビネーションを楽しんでいると、やがて太めのストローを通してパイ生地が口に入って来て、なめらかな中にザクザクした食感が混じり合う。ドーム状のパイを少しずつ崩し、ザクザク感を残しながら食べたり、ある程度クリームに浸し、しっとりさせて食べるなど、いろいろな食感が楽しめる。

驚いたのが、意外にさっぱりした甘さだったことだ。ほかのカフェチェーンの例を見ると、初夏に発売するスイーツやドリンクはスッキリとした味わいに仕上げるところが多い。その中では、スタバの商品は糖度が高いと言えるかもしれない。たとえば昨年のカンタロープメロンを使った商品はホイップクリームも多く、メロンの味と相まって濃厚な甘さがあった。

今回は、アメリカンチェリーがもともと酸味のあるフルーツであることと、パイ生地を使った分、ホイップクリームの量が減っていることが、甘さが控えめに感じられる理由かもしれない。そのためか、試食会で周囲を見回しても、いずれもきれいに完食されていた。

初の「フェスイベント」を開催

発表会に登壇した溝端淳平氏とスターバックスコーヒージャパン足立紀生氏(撮影:今井康一)

そして今年も、新作の発売に合わせ記者発表会と、ファン向けのイベントが4月12日に開催された。記者発表会では俳優の溝端淳平氏をゲストに迎えたトークセッションが行われた。溝端氏は、毎朝スタバに通っており、決まって購入する商品を店員にも覚えられているというほどのスタバファンとのことだ。新作を味わいながら「パイとフラペチーノは合いますね」とコメントしていた。

トークセッションでは、今回のフェスを企画したスターバックスコーヒージャパンの足立紀生氏も登場。商品のコンセプトについて「見た目を楽しく、驚きのあるものにということから、ドーム型を思いついた。まずストローをどこに刺すかということから、想像力を働かせることができる。パイを切り取ってディップのようにつけて食べるなど、いろいろな食べ方がある」(足立氏)と説明した。

ファン向けイベントの会場となった、新豊洲Brilliaランニングスタジアム(撮影:今井康一)

また、ファンに向けたイベントとしては、今回初めてフェスイベントが開催された。会場となったのは2016年12月にオープンしたばかりの新豊洲Brilliaランニングスタジアムだ。競技用義足の開発や障害者トップアスリートの訓練などに使われる会場だという。半透明のトンネルのようなユニークな形状をした同会場の周囲に、新商品のパイの外見をイメージした半球状のテントを複数設置。メイン会場で試食会やアーティストによるライブイベントを行うほか、それぞれのテントで、スタバにまつわるワークショップやパフォーマンスを開催した。

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